「投資? そんな時間ないし、絶対に元本割れしたくない!」「やっぱり銀行預金が一番安全でしょ!」。胸を張って貯蓄一筋40ウン年できた日経ARIAの細腕記者2人が、お金の達人と丁々発止の5番勝負!「本当に投資は必要なんですか?」「長期投資すれば必ずもうかるって過去の話でしょ?」――素人質問を迎え撃つ達人たちの答えは? そして、記者たちはどう動く? 実録です!

重い腰を上げて投資始めます

 前回の取材で、重すぎる腰がやっと上がり、落とし穴に遭遇しつつもいよいよネット証券の口座を開いた記者IとO。いま、心を占拠するのは「相場が下がりきって、これから上がるタイミングで買いたい!」というシンプルな欲求。結局、次なる一歩はまだ踏み出せません……。

 ということで、今回は世界の資本市場の長期的なリスクとリターンの調査研究に基づき、40年以上にわたり中立的な観点から投資情報を提供しているイボットソン・アソシエイツ・ジャパンの小松原宰明さんのもとを訪れました。「小松原さん、いったいいつ始めるのがベストですか?」

「相場的に今じゃないでしょ!」は悪魔のささやき

記者I 投資を始めようと思ったのですが、投資を少しかじった友人から「いや、相場的に今じゃないでしょ」と上から目線で言われまして……。私ももう40歳ですし、投資は慎重にいくべきかと悩んでいます。

小松原宰明さん(以下、敬称略) いえいえ、人生100年時代ですから、60歳から始めても40年あるんです。40代ならまだたっぷり時間がありますよ。とにかく今すぐに始めることが大事です。

記者I いやいや、「今すぐ」と言っても、せっかくだから下がっているときに買いたいです。

小松原 そりゃそうですよね。でもね、下がったから買おうと思っても、口座を開くためにマイナンバーを出して……なんてやっていたら好機を逃してしまいます。Iさんはもう口座を開いていますから、まずは、1万円を入れて投資をしておきましょうよ。それが、投資という世界に入るための「切符」です。

記者I なんとなく分かりますが……でも、前回、証券口座を開いた後に、金融機関から「これを買いましょう」と次々お勧めメールがきて混乱しています。

小松原 手続きの大切なメールは必ず読むとしても、お勧め商品のメールは余裕のある時に。金融機関だって収益を追求しますから、みなさんにいろいろ買ってほしいわけです。金融機関も皆さんも「もうけたい」というせめぎ合い。もちろん有益な情報もありますので、賢く情報を選択してください。

記者I 賢くいられる自信はありませんが……肝に銘じます!

小松原 お勧め商品といえば、「ノーロード」といって、販売手数料がタダのものもあるけど、金融機関からお勧めされることはめったにない。同じ期待リターンだったらコストは安い方がいいから、ノーロードかどうかは大事ですよ。

今さら聞けないお金ワード
期待リターン(期待収益率)ってなに?
ある資産について、将来にわたる運用から獲得することが期待できる平均的なリターン(収益率)のことをいう。「投資する資金」に対して、どれくらいの「収益」が見込めるかを示したもので、国内株式や外国債券など投資対象の資産クラスによって異なる。

記者O コストが安いのもうれしいですけど……ぜーーったいに、価格が安いときに買いたいです。

20年間の積立分散投資のケース。過去を振り返ると運用成果はどうなった?(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの資料より)※有料会員の方は、5ページ目でこの表の内容・解説が見られます (C)2019 Ibbotson Associates Japan, Inc.
20年間の積立分散投資のケース。過去を振り返ると運用成果はどうなった?(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの資料より)※有料会員の方は、5ページ目でこの表の内容・解説が見られます (C)2019 Ibbotson Associates Japan, Inc.