ブドウ棚の下でワインを飲み比べるぜいたくな時間

 それでは僕の仲良しのワイナリーを紹介します。まずは甲州市勝沼の「マルサン葡萄酒」。ここは江戸時代から続く観光ブドウ農家が経営するワイナリー。東京でスカバンドをやっていた若旦那が婿入りして、山梨ならではの土着感あふれる、それでいて現代的なセンスも併せ持つワインを造っています。

マルサン葡萄酒・若尾果樹園
所在地/山梨県甲州市勝沼町勝沼3111-1
交通/JR中央本線 勝沼ぶどう郷駅から タクシーで約5分
営業時間/8:30~17:00、不定休
電話/0553・44・0160

 ワインの試飲は一年中できるけれど、特に夏~秋にかけての季節には、ブドウ棚の下で飲み比べができます(これがまた最高なんだ)。このマルサン葡萄酒のワイン、本場フランスやイタリアのワイン通を連れて行くと「???」となることもしばしば。それもそのはず、前述の「甲州」や明治以降に普及したアメリカ大陸がルーツの食用ブドウ「マスカット・ベーリーA」など、ヨーロッパやニューワールドで標準のワイン用ブドウ「ではない」品種で造られるワインが主力なのです。

「甲州ブドウ」や「アジロン」など、山梨以外ではあまりお目にかからない品種のワインをブドウ畑で楽しめるのが魅力。ラベルも渋い!
「甲州ブドウ」や「アジロン」など、山梨以外ではあまりお目にかからない品種のワインをブドウ畑で楽しめるのが魅力。ラベルも渋い!

 ブドウが違えば当然ワインの味も違う。

 マルサン葡萄酒の若旦那のレクチャーを聴きながら、ブドウ畑のなかで山梨ならではの味わいを理解する。なんとぜいたくな時間であることよ……。

 ちなみに甲州ワインの詳しい解説は前回記事で