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「よそ者」が工場で働いて得た信頼 日本の布を世界へ

(下)地方の工場からは門前払い。世界的テキスタイルデザイナー梶原加奈子が誕生するまでの格闘と「障害者の働きがいを高めたい」というこれからの思い


日本の繊維産地を支援し、グローバルに活躍するテキスタイルデザイナー兼クリエーティブディレクター梶原加奈子さん。英国の美術大学院で学んだ素材開発や商品化のノウハウで、空洞化する日本の繊維産業を活性化しようと帰国。日本のテキスタイルを世界のファッションシーンにつなぐ架け橋となるべく、産地の工場に乗り込んでいった。最後に明かした障害者支援への思いとは?

(上)世界的デザイナーの挫折 ローンを組んで留学したのに…
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地方の工場に営業をかけるも門前払いの日々

 2006年、英国から帰国した梶原加奈子(48歳)さんは、故郷の北海道に戻り「カジハラデザインスタジオ(KDS)」を設立。自身のオリジナル生地を制作するかたわら、産地と協働して世界に販売できるテキスタイル作りをサポートしようと希望に燃えていた。

 多摩美術大学時代の恩師、わたなべひろこさん(現名誉教授)からの100万円を軍資金に、各地の繊維工場をしらみつぶしに訪ねて思いを伝え歩いた。だが現実は厳しく門前払いが続いた。当時、繊維工場の大半はアパレルや問屋の下請けとして指定のデザイン通りに生地を作るのが慣習。「産地発・工場発のモノづくりをやっていきましょう」との呼びかけに耳を傾けるところはほとんどなかった。

 「それでも落ち込むことはありませんでした」と梶原さん。「話を聞きたい」と連絡してきた経済産業省やシンクタンクと10年後の日本について意見交換すると「日本も欧州のように産地自らがデザインを生み出し、国内外で販売していくことが必要」と見解が一致。「目指す方向性に間違いはないと確信できたからです」

自らデザインしたシャツ。工場の残布をパッチワークして数量限定で作っている
自らデザインしたシャツ。工場の残布をパッチワークして数量限定で作っている
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