ワークライフバランスが声高に叫ばれる現在、一方では仕事そのものを面白がって「遊ぶように働く」人たちも現れています。38歳のときに国連の正規職員の座を投げうってノンフィクション作家へと転身した川内有緒さんは、もともと芸術学部出身でアートへの思い入れも強い人です。川内さんが、書くことだけに専念せず、自身も作品を生み出すなど、常にアートに関わっている理由を聞きました。
(1)1000倍の難関・国連職員を辞しライターに
(2)文学賞も全文公開も「読んでもらうため」
(3)ノンフィクション作家は「肩書を模索中」 ←今回はココ
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⇒川内有緒 文学賞も全文公開も「読んでもらうため」
休日は電車で2時間、山梨で「小屋を建てる」
―― 梅雨の合間を縫って、川内さんが「小屋を建てている」という山梨の現場まで押しかけました。さて、今日はどんな作業を?
川内有緒さん(以下、敬称略) 「今日は幅100cmのロフトを作ろう」って、朝、決めて。本職の大工さんに手伝ってもらいながら、作業を進めているところです。細かな設計図はなくて、作ってみて様子を見ながら調整する、くらいのペースで進めています。私と夫と娘、あとはよく手伝ってくれる友人が数人いて、今日も夕方に一人来るみたいです。でも、夕方に来てくれても作業はだいたい終わっているから、一緒に夕飯を食べるだけになってしまうかもしれませんけど(笑)。
―― まさに、『遊ぶように働くひと』という連載にふさわしいスタンスです(笑)。この楽しそうな「小屋作り」はいつから、何のために始めたんですか?