急成長を遂げるスタートアップ企業で、最年長スタッフとして働いている大石かおりさん(50歳)。今年1月に、18年ぶりに正社員となり、「刺激的な毎日を過ごしている」。20代はメーカーのエンジニアとして製品開発の第一線で活躍。30代で夫の転職を機に地方へ転居し、専業主婦を経てパートやフリーで働きながら、ずっとキャリアの居場所を探し続けてきた。「振り返って考えると年齢は壁ではなかったが、迷いが晴れずに苦しい時期もあった」という大石さん。もがきながらつかんだ働き直しの道とは。

平均年齢33歳のスタートアップで、唯一の50代正社員

 レストランからトイレまで、空室検索ができるプラットフォームを提供するスタートアップ、バカンの広報室で働く大石かおりさん(50歳)。事業成長の重要な時期に入社し、プレスリリースを書き、取材を受け、ニュースやブログを発信し、スタッフの募集要項を作成するなど、会社の窓口となる責任あるポストを任されている。

 バカンのスタッフの平均年齢は33歳。「断トツの年長者で唯一の50代(笑)。でもね、そんなことを気にしていられないくらい、目まぐるしく刺激的な毎日です」。

「年齢なんて気にしていられないくらい、スピード感があります」

 正社員として働き始めたのは今年の1月で、18年ぶり。しかも、広報という仕事は未経験職種だという。

エンジニアとしてスタート 20代はやりがいに満ちていた

 理系の大学院を卒業し、学生時代に学んだ化学の専門分野を生かして、第1志望だった大手機器メーカーに新卒で就職。エンジニアとして製品開発の第一線で7年間働いた。30歳のときに長男を出産し、1年間の育休を取った復帰後も、製品開発の現場に戻った。

 開発した製品が世の中に出る喜び、大きな予算のついたプロジェクトで意見を採用してもらえるうれしさ、トラブルや問題を解決していく達成感、大きな組織の中で戦力の一員として仕事ができる環境は、やりがいに満ちあふれていた。