今年1月に、18年ぶりに正社員になった大石かおりさん(50歳)が働いているのは、平均年齢33歳というスタートアップ企業だ。事業成長の大事な時期に、未経験ながら、広報という重要な仕事を任されている。試行錯誤をしながらいろいろな仕事にチャレンジし、なかなか再就職が決まらなかった40代を経て、「ずっと年齢がコンプレックスだった」大石さんが、ひと回りもふた回りも年下のスタッフと働く醍醐味とは。

【前編】
「私は社会のお荷物か」と悩んだ主婦の再就職いばらの道

 「今の仕事が決まったのは、50歳になる直前。誕生日のギリギリ1週間前なんです」という大石かおりさん(50歳)。30代前半まで、エンジニアとして第一線で働いていたが、夫の転職を機に主婦やパートに転身。子ども二人を育てながら大学院で学び直したものの、「子育て中の38歳、細切れのキャリアで管理職経験なし」では、なかなか安定した仕事は見つからない。それでも、「いつかは正社員に」という思いで、フリーやパートタイムで仕事を続けてきた。

レストランからトイレまで、空室情報が配信できるプラットフォームを提供するスタートアップ、バカンの広報室で働く大石かおりさん(50歳)

「50歳になると求人が激減するのよ」に心が騒ぐ

 過去の経験を生かし、40代は働きたい一心でフリーのライターやサイエンスライティング講座の講師を続けた。「とはいえ収入は低く、結局、扶養の範囲内です。納税額も20代の会社員時代より少ない。このままじゃダメだとずっと思っていました」

 40代後半になってフリーでやっていたライターの仕事は軌道に乗り始めてきたが、焦燥感は募っていった。周囲のママ友たちがつぶやく「50歳になると求人が激減するのよ」という言葉が気にかかる。「やっぱり、このままでは嫌だ」と意を決したのが48歳。「とにかく、50歳までに再就職!」を目標に、就職活動を再開した。