変化のスピードが早くなり先が見通せない今、組織に多様性が求められるのと同じように、個人にも新しい価値観の獲得や学びによる成長が求められています。そのための「出合い」の場を持っていますか? 日々の仕事や自分の成長に「停滞感」を覚えているミドル世代にこそ必要な「越境」の始め方とその効用を探る、大特集です。

 専業主婦から39歳でギャル系ブランドのアパレルショップ店長として社会人デビュー、そこから居酒屋のオーナーを経て51歳のときに外食業界で社長就任、という異色の越境キャリアを持つ人がいる。日本初のハンバーガーチェーン「ドムドムハンバーガー」を展開するドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍さんだ。

 15年ほどの間にこれほどの業界や業種をまたぎ、それぞれで結果を残し、かつその経験を確実に次のキャリアに生かし続けている。しかし、それは狙ったものではなかったという。

 「やるしかない、せざるを得ない状況でした。目の前のことを一生懸命やっていただけなんです」(藤崎忍さん)

ドムドムフードサービス代表取締役社長 藤崎忍さん
ドムドムフードサービス代表取締役社長 藤崎忍さん
1966年、東京都墨田区生まれ。青山学院女子短期大学卒。2005年にSHIBUYA109でアパレルショップ店長に着任。その後、11年に居酒屋オーナー、17 年にドムドムハンバーガーの商品開発として レンブラント・インベストメント入社。店長やSV(スーパーバイザー)職を経て18年にドムドムフードサービスの代表取締役社長に就任
※藤崎忍さんの「崎」の本来の表記は、「大」部分が「立」の「たつさき」