変化のスピードが早くなり先が見通せない今、組織に多様性が求められるのと同じように、個人にも新しい価値観の獲得や学びによる成長が求められています。そのための「出合い」の場を持っていますか? 日々の仕事や自分の成長に「停滞感」を覚えているミドル世代にこそ必要な「越境」の始め方とその効用を探る、大特集です。

 「自分のスキルや経験を、本業以外の場で役立てたい」「私の実力が社外でも通用するのか試してみたい」。もし一度でもそう思ったなら、越境に挑戦するときが来たのかもしれない。

 越境をしてみたいと思っても、希望や条件に合った機会を自分でつくり出すのはなかなか難しい。しかし副業解禁やリモートワークの浸透を背景に、さまざまなマッチングのためのプラットフォームがサービスを充実させているので、活用しない手はない。プロボノでNPOを単発でお手伝い、地方企業と取り組む副業など、あなたのスキルや経験、知識を必要としている人に出会える場がたくさん用意されているのだ。

1日だけ越境してみたい人に「社会人向けインターンシップ」

 リクルートが運営する「サンカク」には、社会人向けのインターンシップとふるさと副業の2つのサービスがある。2016年にサービス開始した社会人のインターンシップは1日型のワークショップのスタイルで、越境の第1歩として気軽に参加しやすい

 例えば「ファッション業界でのデータ活用戦略」など、企業や団体からのワークショップの募集に対し、エントリーしたユーザーの中から、企業が求めるスキルや知識を持った人が選ばれる。それぞれ定員は10人ほどなので、プロフィールに自分のスキルや経験などをしっかり書き込むことはもちろん、エントリーする際に意気込みを書き込んでアピールすることが大事。

 リクルートのサンカク事業責任者である古賀敏幹さんは、越境のメリットについてこう話す。

 「興味のある分野の最前線で活躍している人や、自分と同じようなスキルを持っている他社の人とディスカッションする体験ができるので、腕試しができるのと同時に、自分の現在地や自社の状況を客観的に見る機会にもなります。

 それに、上司に褒められるより、その領域のトップランナーの人に『あなたのこの発想いいね!』と言われるほうがずっと自信につながりますよね。『もう少しこうしたほうがいいよ』というフィードバックも気づきの機会になります」

サンカクの「社会人のインターンシップ」は越境を通じて自分の可能性に気づく第一歩として参加しやすい
サンカクの「社会人のインターンシップ」は越境を通じて自分の可能性に気づく第一歩として参加しやすい