令和に入って3年目。私たちの働き方が激変しつつあります。場所や時間の制約が薄れ、会社との関係も変わる。外的要因によって変化を強いられるのではなく、自らが働き方を選びにいく時代が到来しています。副業で活躍、移住して働く、独立する、ジョブ型雇用への転換……少し先の新しい働き方はどうなるのかを展望します。

 報道などで「ジョブ型雇用」という言葉を目にすることが多くなり、「もしかしたらいずれは私の会社もジョブ型に?」と思っている人も多いはず。まさに今、ジョブ型への過渡期にあるという3人を集って開催した座談会。「毎週、社内の公募情報が送られてくる」「ジョブ型で採用された新卒が入社してきた」「上司が書いたジョブディスクリプション(職務記述書)を見て自分のスキルを知った」「今後のキャリアを考えるいい機会」といった話題が飛び出た(上)に続いて、(下)でもジョブ型雇用のホントのところを語ってもらった。

まずはジョブ型雇用をおさらい。欧米で主流のジョブ型雇用と日本で主流のメンバーシップ型雇用の特徴を比較した。人に仕事がつくか、仕事に人がつくか。考え方は大きく異なる。リクルートワークス研究所主任研究員の中村天江さんの資料を基に、編集部で一部改変
まずはジョブ型雇用をおさらい。欧米で主流のジョブ型雇用と日本で主流のメンバーシップ型雇用の特徴を比較した。人に仕事がつくか、仕事に人がつくか。考え方は大きく異なる。リクルートワークス研究所主任研究員の中村天江さんの資料を基に、編集部で一部改変
今回の参加者
里香さん(40代前半、電気機器メーカー、仮名)
ブランディング、デザインなどに携わる
郁美さん(40代後半、化学メーカー、仮名)
企画部門でマーケティングなどに携わる
瑶子さん(50代前半、電機メーカー、仮名)
品質を管理する部署の専門職
私たちの進む道は…
私たちの進む道は…

働き方を考える人、考えない人で二極化?

── (上)で、皆さんがまさにジョブ型への過渡期であることが伝わってきました。社内で混乱は起きていませんか。

里香 私の会社では10ぐらい大きな社内改革が進んでいて、ジョブ型はそのうちの1つ。だから、ジョブ型だけに注目が集まっているわけではなくて。混乱はないですね。

郁美 ジョブ型に移行することだけによる混乱ではありませんが、コロナ禍でリモートワークになり、「会社に来るだけが仕事ではない」「働いて、ちゃんと結果を出す」という働き方に変わってきました。ちゃんと今後の働き方を自分で考えている人、考えていない人に二極化しているかもしれません。

瑶子 私の周りも混乱はありません。リモートワークになったとしても、どんな働き方でも結果を出すのがジョブ型といえますよね。私の会社では20年前から裁量労働を導入していますが、実際には月間の勤務時間がマイナスになると、総務部から上司に問い合わせが入ります。ジョブ型になるなら、「労働時間縛りの働き方」も変えていってほしいなあと思っています。

── 気になる給料については、どうですか。結局、それほど変わらないのか。それとも、上がる人・下がる人の差が顕著になるのか。どうでしょう。