「副業元年」といわれた2018年からはや2年。企業がじわじわと副業解禁へかじを切っているものの、実際に副業を始めたARIA世代はそれほど多くはないようです。けれども「これからはARIA世代にこそ、副業が欠かせない」と専門家は話します。では、何から始めるべき? 本業と副業のバランスをどう取る? 思わぬ落とし穴は? 副業の最前線をリポートします。

 働き方改革の一環として、厚生労働省は2018年1月にモデル就業規則を改定し、労働者順守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」を削除しました。事実上の副業解禁です。とはいえ、いきなり「明日から副業してもいいですよ」と言われたところで、何をどう始めればいいのか、そもそも副業する必要があるのかなど、疑問や不安は拭えません。

 果たして私たちにとって副業にはどんなメリットがあるのか、やるならどのような仕事を選べばいいのか……。『マルチプル・ワーカー「複業」の時代』の著者で、副業に詳しい早稲田大学ビジネススクール教授の山田英夫さんに、私たちが目指すべき副業の形と注意点について話をしてもらいました。


副業は「人生を豊かにする」強力な選択肢

 現時点で副業をしている人の多くは、20代から30代の若い世代といわれています。終身雇用は当てにならず、昇給すら危うい時代に就職した彼ら・彼女らにとって、複数の「手に職」を持つことは自然の流れなのでしょう。

 では、キャリアを重ねてきたARIA世代は副業が不要かというと、そうではありません。日本では、大手企業の取締役にまでなれば生涯年収が増えて余生も安泰でしょうが、55歳や60歳で役職定年を迎えると年収が大幅に減り、会社に残れたとしても、社内で輝ける場所がなくなっていくでしょう。その時点で新たに別の働き口を探しても、正直、これまでのスキルを生かせる仕事はなかなか見つからないのが現状です。

 また、たとえ大手企業で働く優秀な社員だったとしても、ある日突然勤め先がM&Aや企業吸収の対象となり、余剰人員になってしまう可能性もあります。だからこそARIA世代の皆さんには、今から副業について真剣に考え始め、人生の選択肢を広げておいてほしいのです。

山田さんは「ふく業」を4つに分けて解説しています。私たちARIA世代が目指すべきはどのような形態? 次ページから解説します
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強い意志に加え、「成功する副業」に必要な2つの要素とは? 次ページから解説します
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副業で収入が増えるのは当然。それ以外にも、本業にも通じる大きなメリットがあります。次ページから解説します
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