スマホ決済、クレカ、サブスク、不要品売買まで、お金にまつわる常識が大きく変わっています。スマホを片手に軽々と取り入れる20~30代に比べて、いまだにコンビニで小銭をかき回しているARIA世代は多い。2020を前にキャッシュレスの波にこれ以上乗り遅れるのはまずいのでは? そんな不安に答え、「正解」を紹介します。

 今、最も多く使われているスマホ決済サービスは「PayPay(ペイペイ)」。そして、普段利用しているコミュニケーションツール「LINE」の延長で使えるのが「LINE Pay(ラインペイ)」だ。この2つなら間違いない……はず。

 でも、ちょっと待ってほしい。ARIA読者として、どうしても気になるのが、記憶に新しいあの事件、「7pay(セブン・ペイ)ショック」だろう。

 セブン&アイ・ホールディングスが提供するスマホ決済サービス、7payが2019年7月にスタートして早々、悪意あるユーザーによる不正利用が発覚。被害者800人超、被害総額は3800万円を超え、9月にはサービス終了に追い込まれた。同社から全額補償されたとはいえ、「なんとかペイは危険」という印象を世間に与えた。

 そんな事件があった後だけに、今、使っても本当に大丈夫なのか。勝手にお金を引き出されたりしないのか。そんな不安は拭えない。

スマホのアプリで簡単に支払える「なんとかペイ」だけに、安全面での不安は尽きない…
スマホのアプリで簡単に支払える「なんとかペイ」だけに、安全面での不安は尽きない…

不正利用されても大丈夫!? 全額を補償

 そんな中、最大手のPayPayはいち早く対策を講じ、8月28日から不正利用時の全額補償を規約に明記した。アカウントや銀行口座、クレジットカード情報などが第三者に盗まれて不正利用された場合の対応策だ。

 同社広報によると、「規約改定後、実際にユーザーが不正利用の被害に遭ったケースはあったが、(同社が)全額補償をした」という。メールのフィッシング詐欺などにユーザーが引っかかり、パスワードが漏れてしまった場合でも「全額補償されるのは心強い」(消費生活評論家の岩田昭男さん)。ちなみに、LINE Payでは1事故当たり補償額は原則、上限10万円だ。

PayPayとLINE Payの二刀流に意味あり

 セキュリティーについて納得できたら、いよいよスマホ決済に挑戦したい。使うのは、メインがPayPay、サブとしてLINE Payを入れておくといい。なぜか。

 PayPayは、日本全国170万店舗以上で使える(2019年11月現在)。利用可能な店はスーパー、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアの各チェーンに加え、飲食、宅配、居酒屋、百貨店、タクシーと幅広い。とはいえ、フルカバーしているわけではない。

 例えば、スーパーなら西友やサミットで使えるが、成城石井では利用できない。カフェは上島珈琲店では使えるが、スターバックスは未対応といった具合だ(いずれも12月1日現在)。実はこれらの店では、LINE Payが使える。PayPay対応店は今後も増える見込みだが、現時点ではサブとしてLINE Payがあれば、かなりカバーできる。

ARIA読者が「なんとかPay」を実際に使う前に知っておきたい3つの基礎知識。(1)利用できる場所は? (2)お金はどうやって入金する?  (3)お店でどうやって支払う?
実際に使う前に、基礎知識をおさらい。答えは次ページで