リーダーとしての振るまい、上司・部下のコミュニケーション、失敗のリカバリー、情報収集……常に業界の最前線をひた走るトップランナーたちは、どのような仕事術を持っているのでしょうか。注目を集める各界のトップランナー5人が集結。誰もがまねをしたくなるとっておきのルールを聞きました。

 コロナ禍による人々のライフスタイルの変化によって苦境に立つ事業者もある一方で、「今」のニーズに応えて成長を続けてきたのが、個人のスキルや経験、知識などをオンライン上で売り買いできるココナラです。創業者で代表取締役会長の南章行さんは、「長期的な計画よりも、変化にその都度合わせて行動するほうが好き」というスタンスの持ち主。柔軟でありつつぶれない、仕事を含めた生き方すべてに通じる南さんのルールを聞きました。

ココナラ 代表取締役会長 南章行さん
ココナラ 代表取締役会長 南章行さん
1975年愛知県生まれ。慶応義塾大学卒業、英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)修了。住友銀行(現・三井住友銀行)でアナリスト業務を経験した後、アドバンテッジパートナーズにて約7年で5件の企業買収を担当。2012年1月にウェルセルフ(現・ココナラ)を設立。

コロナ禍は、既にあった動きを加速させただけ

―― 2020年5月に公開した日経ARIAのインタビュー記事では、「コロナ禍で外出自粛ムードが高まった3月後半から、ココナラを使ってオンラインでスキルを売る人の数が爆発的に増えた」というお話がありました。その後はどんな動きがあったでしょうか。

南章行さん(以下、敬称略) 1カ月ほどの時差で、スキルを買う人の数も大幅に伸びました。要は、対面ビジネスができなくて困り始めた人たちがココナラに流れ込んできたんですね。4月に外出自粛になって売り上げが減り始め、しばらく悩んだ末に「お店に人が来ないなら、もう少しビジネスをオンライン化するしかないよね」と思い至った。それでECサイト構築やウェブサイト構築、ウェブマーケティング用の動画広告みたいなものを作らなきゃという需要がじわじわ広がっていったのだと思います。

 コロナというのは思ってもみなかった出来事でしたが、じゃあそれによって今までと違う何かが生まれたかというと、そうは思いません。すべて、既にあった動きが加速しただけだと思っています。将来はもっともっとオンライン限定でやり取りしたりする世の中になるし、リモートでも仕事ができるようになる。そう思っているからココナラを立ち上げたわけで。ゆるゆるとそっちに向かっていたのが一気に進み、僕らはその影響を受けて成長が後押しされたという状況です。

―― 日々の仕事を取り巻く環境については、何か変わったことはありますか。