未婚率は高まり、核家族化は進み、離婚するカップルは多く、「単独世帯」(ひとり家族)は増え続けています。2040年には総世帯の4割が単独世帯という予測も。これからあなたが頼りにできるのは、家族よりも友達かもしれません。いざというときに相談したり、助け合ったりできる「女友達」について考えます。

 『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)や『これでもいいのだ』(中央公論新社)など、結婚や仕事といった女性の生き方や日常生活で感じるモヤモヤについて、本質をついた鋭い視点でつづるエッセイが同世代の共感を呼ぶジェーン・スーさん。40代からの「女友達との付き合い」について、ご自身の体験や考え方をうかがいました。

―― ジェーン・スーさんにとって、女友達とはどういう存在ですか?

ジェーン・スーさん(以下、敬称略) 私にとっては、いてもらわないと困る存在ですね。「女友達は唯一元本割れしない資産だから、じゃんじゃん投資しろ」と日ごろからよく言っています。女友達が一番ありがたいと思い始めたのは30代後半くらいからですかね。30代後半って、親のことでもめたり、失恋したり、大きな出来事がいろいろあります。20代とは違うタイプの人生の転機があったときに、「この人たちがいなかったらどうなっていただろう」と何度も思いました。

ジェーン・スー 作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)、中野信子氏との共著『女に生まれてモヤってる!』(小学館)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)など、鋭い観察眼と高い言語化力で女性のモヤモヤをスパッと切り取るエッセイが人気。
ジェーン・スー 作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)、中野信子氏との共著『女に生まれてモヤってる!』(小学館)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)など、鋭い観察眼と高い言語化力で女性のモヤモヤをスパッと切り取るエッセイが人気。

―― 女友達はみんなお付き合いが長いですか? 学生時代の友人でもライフステージが変わると話が合わなくなってしまうこともありますが……。

ジェーン・スー 長く続いている人もいるし、40代になってからの友達もいます。学生時代からの付き合いでも、それぞれ子育てで手いっぱいだったり、話すことも子ども中心で合わなくなったりする時期もありますが、そういうときに無理やり距離を近づけても仕方ない。適度な距離を保っていれば、しばらく連絡を取ってなくても、また距離が近くなることもありますよね。

―― 40代になって女友達との関係性が変化したことはありますか?

ジェーン・スー 40代になると、またそれぞれの役に立てることが多岐にわたって、それはすごく豊かだと思いますね。たとえば親の介護が始まった子どものいない友人がいて、親が施設に入居するにあたり持ち物にすべてに名前を書くことになったら、子どものいる友人がお名前シールやマスキングテープの便利な使い方を教えたり。誰かが一戸建てを買うとなったら、子どもはいなくても不動産は2つ3つ持ってる百戦錬磨の友達が、物件選びのコツを教えたり。それぞれが違う社会経験をしていて、ライフステージがいろいろ変わる女性だからこそできることだなと思います。40歳を過ぎてからも私は腹のうちを話せる友達が見つかったので、付き合いの長さではないですね。たとえば今、ポッドキャストで『OVER THE SUN』っていう番組を一緒にやっているアナウンサーの堀井美香さんとは40代になってから付き合いですが、彼女が女子アナとしてブイブイいわせていたころだったら絶対に友達になっていなかった。でも40代で出会ってしゃべってみたら、仕事に対する姿勢とか、物の見方とか、意外と共感できることが多かったんです。大人になってからのほうが、違うジャンルの人でも本質的に合うかどうかを見られるようになったと思います。だから友達づくりに遅いとか早いとかいうことはないと思いますよね。

―― ときに男性パートナーより女友達が頼りになるのはなぜだと思いますか?