40~50代、ARIA世代の日本女性は世界で最も眠っていないと言われます。短時間睡眠を続けると認知症などの危険性が上昇、仕事の生産性も低下。そして…? 隠れ睡眠不足の怖さから、最高の睡眠のための実践方法、実際に試して分かった快適睡眠グッズまで詳しくお伝えします。

6万人に枕を処方した医師「睡眠の質を変えるのは枕」

 「睡眠は量より質。枕を一つ変えるだけで、睡眠の質は変わります」――こう断言するのは、整形外科医で枕研究所社長の山田朱織さん。山田さんは睡眠の質を左右する5大睡眠環境として、「枕」「敷布団(ベッド)」「掛け布団」「寝間着」「ベッドパートナー(家族、ペットなど)」を挙げる。整形外科医として累計6万人の患者に枕を処方してきた実績から、この中でも「最も影響が大きいのが枕」だという。

 山田さんは「不自然な姿勢のまま10時間眠るのと、自然な姿勢で5時間眠るのとでは、後者が体のメンテナンスに寄与するのは当然」と、体に合った枕を使うことを勧める。特に40~50代は「背骨の曲がり角」といわれ、加齢により骨や椎間板の質に変化が起こる上に、運動不足やスマートフォンの使いすぎといった要因が加わり猫背になる人が多い。睡眠には、こうした体のひずみをリセットする効果が期待できるが、体に合わない枕を使って悪い姿勢で寝てしまうと、逆に肩こりの原因になり、頭痛になるケースもあるという。

 では、良い枕とは何か。山田さんによると、朝起きたときの「枕の状態」と「体調」から、今使っている枕が、自分に合っているかどうかが分かるという。

1つでも当てはまれば、今のまくらを替える必要あり。朝起きたときの枕の状態は? ○○○が枕から落ちている。枕が○○○からずれている。枕が○○○型にへこんでいる。枕の○○○状態で目覚める。朝起きたときの体調は? ○○が痛い。○○がこる。○○がする。○○がしびれる。○○が痛い。○○感がある。
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