40~50代、ARIA世代の日本女性は世界で最も眠っていないと言われます。短時間睡眠を続けると認知症などの危険性が上昇、仕事の生産性も低下。そして…? 隠れ睡眠不足の怖さから、最高の睡眠のための実践方法、実際に試して分かった快適睡眠グッズまで詳しくお伝えします。

 忙しい40代~50代の女性の多くが、日々の生活で犠牲にしているもの――それは「睡眠」ではないだろうか。

 日経ARIAの読者層への調査(*)では、健康上の悩みとして53.9%の人が「良い睡眠が取れない、睡眠時間が足りない」と答えている。そして、平均睡眠時間は「5.7時間」という短さ。大半の人が5~6時間の睡眠で日々を送っているという結果だ。
(*)日経BP「40~50代の働く女性の心と体の健康に関するアンケート」。ヤクルトヘルスフーズの協力を得て2019年4月18日~5月14日に実施

 実は、ARIA世代の日本女性の睡眠時間の短さは際立っている。総務省の調査では、どの年代の男女と比べても短い。さらにOECD(経済協力開発機構)加盟国を対象にした調査でも、40代~50代日本女性は世界一睡眠時間が短いという結果が出ている。

 しかし、この年代が睡眠を削り続けると大きなツケが待っているかもしれないことが明らかになっている。それどころか、あなたは既にそのツケを払い始めているのかもしれない。

40代で睡眠を削ったら…「100年人生」の後半はどうなる?

 「もし、もう一度40代に戻れるなら、絶対に睡眠を削らない。睡眠不足で自分自身が受けていた影響の大きさに、50歳の時気付いてがくぜんとした」と言うのは脳内科医の加藤俊徳さん(詳細は後日公開の記事で紹介)。心身にダメージが蓄積し、仕事のパフォーマンスも下がっているのに、常態化した睡眠不足ではそれが自覚できないことも多いのだ。

 ARIA世代は、50代いっぱいまでフルタイムで働く女性が多くなった最初の世代と言える。しかもIT化・グローバル化で24時間「眠らない」環境が出現した。こうした中で仕事と生活を両立し、睡眠を削りながら迎える「100年人生」の後半がどのようなものになるのか、誰も経験していないのだ。

 自覚してはいなくても、あなたも実は睡眠不足かもしれない。次ページのリストでぜひチェックしてみよう。