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「逆境」が後押しした キャリアの転機

終身雇用から「終身成長」の時代へ 逆境こそチャンス

個人も企業も働き方は「ライフ・フィット」が基準に


社会が変化するスピードが速い今の時代、キャリアについて新たな行動を起こすきっかけは、自分の意思で決められるものばかりではありません。コロナ禍による休業要請や会社の制度変更などに直面した人たちは、戸惑いや試行錯誤の末にどう新たな一歩を踏み出したのでしょうか。「逆境」でもキャリアの迷子にならず、主体的に道を切り開くための準備や心構えについて考えます。

「逆境」が後押しした キャリアの転機

 長引く新型コロナ禍の影響で、あらゆる業種、職種で働き方は大きく変化している。自分の仕事って何だろう、会社との関係性って何だろうと根本から問い直した結果、個人は、企業はどんな答えを導き出したのか。転職業界に詳しいリクルートのHR統括編集長・藤井薫さんに、働き方に関わる新たな価値観について話を聞いた。

編集部(以下、略) コロナ禍という大きな逆境を経験して、働き方を改めて見つめ直した人は多いと思います。社会全体の変化についてどのように見ていますか?

藤井薫さん(以下、藤井) 私は、企業、個人とその両者の関係という3つの横軸と、転職市場と職場の変化という2つの縦軸のマトリックスで「働く」の変容を見ています。

 現在の転職市場・働き方の変容を理解するためのキーワードは「2つのライフ・フィット」です。

 1つは「ライフスタイル・フィット」。自分のライフスタイルと働き方がずれてくると苦しいし、逆にコロナ禍でリモートワークができるようになって働きやすくなったという人もいますよね。自らのライフスタイルに働き方をどうフィットさせるか。これはコロナ禍で多くの働く個人が直面した宿題です。

 もう1つはもう少し中長期の視点で、「ライフデザイン・フィット」あるいは「ライフワークデザイン・フィット」といえるものですが、将来の自分の働き方を見つめ直す中で、今の会社で働き続けていいのか、方向転換すべきか、ということです。自分は将来、どんな生き方、働き方をしていきたいのか? 住む場所は? 子育ては? 趣味は? そして仕事は? そうした中長期のライフとワークのフィッティングにも、多くの働く個人が考えを巡らせた1年だったと思います。

個人はライフ・フィットできる仕事を強く求める

藤井 最初に個人の視点ですが、コロナ禍を経験して働く際に重要視する項目がどのように変化したかについてお話しします。

 2020年前半にテレワークが急速に浸透、緊急事態宣言によって多くの人が数カ月のうちにテレワークを経験しました。職場も家庭環境も完全な環境を作れないまま走ってしまったケースが多かったのは確かです。

 それでも2020年11月に行った新型コロナウイルス禍での仕事に関する意識調査アンケートでは、84%の人がテレワークを継続したいと望むという結果が出ました。また、転職検討中あるいは活動中の人が仕事選びをする際に、入社時に比べて「プライベートの時間を確保できる」「テレワークが認められる」「副業OK」などを重視する傾向が強まっていることが分かりました。

 こうしたライフスタイル・フィットに加え、将来のキャリアを見つめ直して、転職活動をする・しないに関わらず、ライフデザイン・フィットについてキャリアアドバイザーに相談する人も増えています。

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