会社に勤めていれば定年がありますが、その先にも長い人生が続くことを考えれば、多くの人が何らかの形で働き続ける時代。今や誰にとっても、いつかは組織を離れて仕事をする=フリーランスの働き方が自分事になるのです。実際にフリーランスとして働き始めるには、どんな準備が必要?どうやって仕事を見つけるの?一足先にフリーランスへの道を歩み始めた同世代のケースを中心に、役立つ情報をお届けします。

人生100年時代 誰もがいつかはフリーランス

 少し前まではフリーランスというと、デザイナーやイラストレーター、エンジニアなど、クリエーティブ系の職業を中心とした専門的な技能を持つ人たちの働き方というイメージがありました。しかし、ITの進化や働き方の多様化によって、フリーランス人材活用の動きはビジネス分野にも広がっています。フリーランスを取り巻く環境整備や政策提言などを行っている一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)代表理事の平田麻莉さんに、フリーランスの仕事の現状や、ARIA世代がフリーランスとして仕事をする際の強みや心構えについて聞きました。

平田麻莉(ひらたまり)<br>一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事
平田麻莉(ひらたまり)
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事
慶応義塾大学総合政策学部在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。 米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶応義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学ビジネス・スクール委員長室で広報・国際連携を担いつつ、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程で学生と職員の二足のわらじをはく(出産を機に退学)。現在はフリーランスで広報や出版プロデュースなどを行う傍ら、17年にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。

企業で活躍する「プロジェクト型」「ミッション型」フリーランス

―― フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2020」によると、調査の回答者601人の男女比はほぼ半々、年齢は30代と40代がそれぞれ約4割と最も多く、次いで50代。職種も幅広く、かつ会社員経験のある人が95.2%と圧倒的です。クリエーティブ系以外の職業でもフリーランスになる人は少なくないのでしょうか。

平田麻莉さん(以下、敬称略) 私自身も広報が専門ですが、企画やマーケティング、事務・バックオフィスなどの「ビジネス系フリーランス」は今すごく増えています。例えば人事のフリーランスが企業の人事制度設計を請け負ったり、労務のエキスパートが労務管理だけを依頼されたり。毎月の経理業務をフリーランスのみのチームでやっている会社もありますし、新規事業の立ち上げに精通したフリーランスが、プロジェクトチームのマネジャーとして社員を率いるケースも増えている。会社組織のさまざまな業務の担当者を、業務委託という形で外部のフリーランス人材に置き換えることができています。

 以前は業務委託イコール外注のイメージで、ロゴのデザインやデータ入力といった「作業」を切り出し、納品してもらう形が多かったと思います。こうした「タスク型」の仕事は今もクラウドソーシングで流通していますが、上記のようにいわゆるビジネスプロフェッショナルとして参画する場合は「プロジェクト型」「ミッション型」になります。

 プロジェクト型というのは人事制度設計や新規事業開発といったプロジェクトチームの一員として、数カ月から数年単位で仕事を請け負う形。ミッション型は、その会社の名刺を持ち、ほぼ会社のメンバーとして仕事をする。営業代行や広報担当などはこれに当たります。

―― なぜ、企業でこれだけ幅広く外部人材が活用されるようになったのでしょうか。

フリーランスは幅広い職種に広がっている(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のホームページより)
フリーランスは幅広い職種に広がっている(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のホームページより)