仕事をしていれば人間関係でうまくいかないことはたくさんある。とはいえ、若手社員でもなければ、立場もある。思いのままに愚痴を言ったり、ぶつかったりするだけで解決できないことも山ほど…。そりが合わない上司や同年代からの嫉妬、セクハラ・パワハラ…。読者の声をもとに、専門家取材や先輩経験談を通して、ARIA世代だからこそのスマートなかわし方を探ります。

◆「男性上司は、上の顔色をうかがってばかり。後で『聞いてない!』と言われるのを恐れて、細かい指示をしてきたり、上の意向でコロコロ意見を変えたり。私もチームメンバーも疲れている」
◆「同世代の部長クラスの女性2人の間で板挟みにあった。それぞれの言い分も理解できるので、いつまでも抜け出せない
◆「いつも話を聞いてくれる役員を信頼して何でも相談していたら、実は上層部に筒抜けだった……

 これらは、日経ARIAが実施した読者ヒアリングで集まった、仕事での人間関係エピソードだ。「仕事上の人間関係で悩んでいる」と答えた人は過半数いた。「実は、人間味にあふれ、共感力の高い人ほど、人間関係の悩みは多い」と話すのは、組織の人間関係に詳しい心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さん。

 そんな五百田さんがオススメするのは、組織を泳ぐためのコミュニケーションテクニックだ。テクニックで人と付き合うなんて不誠実だ……と思う人もいるかもしれないが「心をなくすわけではない。ちょっとした『割り切る』方法を身に付けるだけで、人間関係は思いのほかスムーズにいくのです」。

 そこで、仕事の人間関係をサバイブするコミュニケーションのポイントや、「むちゃぶり上司」や「文句だらけの部下」など、少し面倒な人への対処法も教えてもらった。読者の中には「自分なりに対処法を見つけている」人もいるだろう。答え合わせをするような感覚でぜひ参考にしてほしい。すぐ実践したくなる具体的なものばかりだ。

 この5つを意識して、悩みの深刻化を防ぐ。具体的な解説は3ページ目へ

 5ページ目では、今日から使える実践的なテクニック、切り返す言葉も紹介