かつてはお金持ちの特権だった別荘ライフや海外移住、海外留学。バブル崩壊と経済停滞の30年を経て、庶民クラスにも手の届く2拠点生活や、海外移住・留学の穴場カントリーが、注目されています。「いやいや、私は都心を離れたくないので短時間勤務で働きたい」など、ARIA世代が描くわがままな「未来妄想図」を実現するにはいくら必要なのか、取材しました。

そのライフシフト おいくら万円必要ですか?

 一度は海外で暮らしてみたい。そう思うARIA世代は少なくないだろう。かつては、リタイア後に一人で、もしくは夫婦二人で、生活コストの低いタイなどでのんびりと豊かな生活を謳歌するという印象が強かったが、近年では30~40代の若い層にもロングステイが人気だという。海外で生活するための準備は? 収入を得られる? 語学留学はいくらぐらいかかるの? 次々に湧いてくる疑問を、海外および国内でのロングステイを推進しているロングステイ財団の川嶋彩さんと、マレーシア政府観光局の佐伯道子さんにぶつけてみました。

―― 海外に住むロングステイの人気が、リタイアしたシニア層だけではなく現役世代の間でも高まっているそうですね。

川嶋彩さん(以下、敬称略) まず、「ロングステイ」という言葉は私たちの財団の造語で、その定義にはいくつかの条件があるのですが、「旅行以上、移住未満」というと分かりやすいのではないでしょうか。リタイア後にのんびり過ごす人もいるし、仕事が一段落して語学留学したい人、また、子どもを海外の学校で学ばせたいという就学目的の人もいて、目的はさまざまです。寒い冬の間や花粉のシーズンだけタイやマレーシアに住む、という2拠点生活者もいます。

人気のロングステイ先、3位ハワイ、2位タイ、1位は?

―― 皆さんどのように海外のロングステイ先を選んでいるのでしょうか。

川嶋 人気があるエリアには「安・近・暖」という3つの共通点があります。「安」には2つの意味があり、ひとつは治安がよく安心して住めるということ。もうひとつは日本と比較してリーズナブルに生活できることです。「近」は、日本から比較的近いところ。何かあったときにすぐ帰ってこられる国が好まれるようです。「暖」は暖かいところ。「寒さに弱いので、暖かい国に住みたい」という人が多いようです。さらに、医療機関が整っていることを条件に選ぶ方も多いですね。この春、私たちが発表した「ロングステイ希望国・地域2018」では、13年連続で第1位がマレーシアでした。

―― マレーシア人気の理由はどんな点にありますか?

川嶋 マレーシアは、国策としてロングステイの受け入れを推奨し、各地域の観光局が主体となってプロモーション活動を行っているため、ロングステイのための情報が充実しているというのもありますが、なんといっても、ロングステイビザ(長期滞在査証)「マレーシア・マイ・セカンドホームプログラム(MM2H)」を発給しているのが大きな理由でしょう。MM2Hは、経済的な条件などを満たせば、年齢制限なしに最大10年間滞在可能という世界的にも珍しいビザで、更新も可能です。

―― MM2Hを取得するためには、どのくらいお金が必要ですか?

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長期滞在で失敗しないために、どんな段階を踏めばいいの? 次ページ以降で紹介する