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48歳で再婚後、東京と京都を行き来する2拠点生活をしている酒ジャーナリストの葉石かおりさん(56歳)。再婚を決めるまでには、母親からの反対や夫の連れ子との関係に悩んだといいます。現在は心理学を学ぶ大学生でもあり、新著『名医が教える飲酒の科学』(日経BP)はシリーズ累計17万部を超えるベストセラーになるなど、公私ともに充実している葉石さん。夫婦がお互いに自立した“大人婚”をかなえた葉石さんに、再婚の決め手や乗り越えた壁について聞きました。
出会いは30代、印象は「たばこばかり吸っている人」
編集部(以下、略) 2014年、48歳の誕生日に入籍したそうですね。今のパートナーとの出会いは?
葉石かおりさん(以下、葉石) 着物デザイナーをしている私の友人が、仲の良かった彼(編集部注:葉石さんの夫)の弟を紹介してくれて。「今度、酒の好きな兄も連れてくるから一緒に飲もうよ」と彼の弟の誘いで、私が32、33歳の頃に出会いました。
―― 出会った頃の印象は?
葉石 「たばこばかり吸ってる人だな」って(笑)。印象は良くなかったです。当時の私は結婚していましたし、流産したトラウマを抱えていたころ。最初の出会いから10年くらいは、酒ジャーナリストの活動を通じて広がったお友達の1人でした。
―― 友達関係から距離が縮まったのはなぜでしょう。
葉石 子どものいない人生を思い描いていた矢先、39歳の誕生日に前の夫から「子どもが欲しい」と離婚を切り出されました。離婚をするか、しないかで悩んでいた頃、離婚経験者だった今の夫にいろいろと相談に乗ってもらったんです。
その少し前、私が38歳のときに父親が病気で他界し、25年飼っていた猫も死んでしまった。精神的にどん底だった時期です。私と母は仲が良くなくて、頼りは父だけでした。母は「自分の娘はこうあるべきだ」という理想があって、自分の思い通りにしようとする人。心のよりどころを失って、私は母とどううまくやっていけばいいか分からなかった。だから、離婚のことも母に相談することはできませんでした。
一方で、そのときの私は周囲に弱みを見せることができず、東京には相談ができる人が誰もいなかったんです。前夫との結婚エッセー本を国内外で出版していましたし、6歳年下の夫がいるというライフスタイルにかかわる仕事や交友関係もありました。本を出していても自信が持てるような実績はなく、仕事からの達成感が得られない焦りもあって……。「離婚したら信用をなくすんじゃないか」「離婚したら仕事がなくなるかもしれない」という不安を抱えていました。
―― 唯一、今のパートナーには相談ができたのですね。