抜け毛、白髪、うねり――コロナ自粛のストレスと夏の強い紫外線の影響で、今年の秋はいつも以上に髪や頭皮に負担がかかっています。Zoom会議が増える中、ファッションよりも第一印象を左右するのが髪。ARIA世代が知っておくべき髪のメンテンナンスを深掘りします。

 いつの頃からか、美容室へ通う目的がヘアスタイルチェンジから白髪隠しになってしまうARIA世代。できれば、いくつになっても、白髪があっても、自由にカラーを楽しみたいものです。白髪カラーリングの専門家で恵比寿「PEAKS」のカラーリスト、鬼島健二さんは、「これまでは黒髪に合わせて白髪を黒く染めることが白髪染めとされてきましたが、最近は白髪の特徴を生かしたカラーリングを楽しむ人も増えています」と言います。

 白髪をうまくカバーしながらヘアカラーを楽しむには、どうすればいいのでしょうか。

「染める」と「ぼかす」の違いを知る

 白髪を目立たなくする方法は、大きく分けて「染める」「ぼかす」の2パターンがあります。

 染めるタイプは、メラニン色素を脱色しながら同時に染色し、髪の内部から色を定着させるため、白髪もしっかり染まります。ぼかすタイプは、メラニン色素を脱色せずに染めるので髪ダメージは少ないですが、白髪染めほど染まらなかったり、すぐに色落ちして何度も染め直す手間がかかったりするなどのデメリットもあります。

 鬼島さんは、「ぼかすタイプは、白髪が髪全体の30%も出ていない状態や、髪ダメージが気になる時に向いています。一方で、髪の生え際の30%以上が白髪であったり、こまめなカラーリングをする時間がなかったりする人は、染めてしまったほうがストレスにならないでしょう」と話しています。ただ、染める場合にも注意点があります。白髪染めは白い毛を黒に染める前提で作られているため、一度使ってしまうと、それ以降、明るい色には染まりにくくなります。

 「最近は白髪染めでも明るめに染まるタイプが出たり、カラーバリエーションも豊富になったりしていますが、それでもファッションカラーほどの明るさは出せません。仕事の都合などで明るめのカラーリングを望まない人は、白髪染めでしっかり染めても問題ないと思いますが、明るいブラウンやアッシュカラーなど、ファッションカラーと同等のカラーリングを楽しみたい場合には、白髪染めを使わずにファッションカラーを楽しめる、白髪ハイライトという方法があります」(鬼島さん)

白髪を染めずに生かす「白髪ハイライト」
白髪を染めずに生かす「白髪ハイライト」