抜け毛、白髪、うねり――コロナ自粛のストレスと夏の強い紫外線の影響で、今年の秋はいつも以上に髪や頭皮に負担がかかっています。Zoom会議が増える中、ファッションよりも第一印象を左右するのが髪。ARIA世代が知っておくべき髪のメンテンナンスを深掘りします。

コロナ禍の今は髪のケアがより大切になっている

 「私たちが想像している以上に髪は人の印象を左右しています。コロナ禍によって、ますます髪は大事になっている」と言うのは、ヘアライター&エディターの佐藤友美さん。

 なぜ、髪がそんなに大事なのか、その理由を聞いてみると、「人から見られている角度は正面よりも斜め45度や横顔。最も大きなパーツを占めているのは髪なんです。特にコロナ禍の今はマスクをするので、どうしても顔より髪の面積のほうが大きくなります。Zoomミーティングなどでは、美しい肌より、手入れの行き届いた髪のほうが印象に残る。高い美容液で肌をケアするよりも、髪を整えるほうが、ぐんと手軽で印象が若くなるんです」。

 つまり、髪を美しく見せることがきれいに見えて印象を良くする近道だということ。しかも、肌の見た目を変えるより、髪の見た目を変えるほうが簡単で効果が高いと佐藤さんは言います。

これまで4万人、200万カットのヘアスタイル撮影に立ち会ってきた佐藤さん。「多くの人は髪で損をしています」
これまで4万人、200万カットのヘアスタイル撮影に立ち会ってきた佐藤さん。「多くの人は髪で損をしています」

 それでなくても40代は白髪が増えたり、髪質が変化し始める時期。
「髪を切ったら以前よりクセが強くなった」
「髪形を変えていないのに前髪が薄くなって顔が寂しく見える」
「トリートメント回数を増やしたのに髪がうねってツヤが出ない」。
こうした悩みは周りでもよく聞く話です。

 なぜ髪質が変わるのか。その理由を女性専門に発毛治療を行うDクリニック東京ウィメンズの院長、浜中聡子さんに聞いてみると、「40代からの髪質の変化や抜け毛は血流の低下と女性ホルモンが減ることが原因です。頭皮に血流が不足すると、髪に栄養が行き届かず、乾燥して水分量が減ってくる。髪の中が空洞化してうねりが出やすくなり、そのうねりによって表面のキューティクルが整わなくてツヤも失われるのです」。

 夏の紫外線の影響や季節性の抜け毛によって9月は髪悩みが増える時期ですが、「今年はコロナ自粛によってストレスで髪が抜けるという人が例年より増えています。ストレスも髪の毛に影響を及ぼす要因です」と浜中さんは指摘します。

 では、髪のエイジングを最小限にとどめ、美しい髪になるにはどうすればいいのでしょうか。