2040年には一人暮らしが世帯全体の4割を占めると推測されている長寿国・日本。未婚、既婚に関わらず、いずれは誰もが「おひとりさま」になる可能性があります。ひとりで生きていけるようになることは、老後に備えるだけでなく、今の生活にも新たな視点や行動の広がりをもたらすはず。「ソロ活」を実践している人や識者のお話から、ひとりを楽しみ、ひとりで歩く未来をポジティブに迎えるためのヒントを探ります。

 ひとりで暮らす未来を考えたとき、現実的な問題として気になるのが「住まい」です。ずっと賃貸でも大丈夫? 持ち家でもこの先備えておくべきことは? 実家を相続する予定があるけれど……などなど、老後を見据えたおひとりさまの住まいの最新事情について、住まいに関するお金の相談を専門に行っているファイナンシャルプランナーの有田美津子さんにお話を聞きました。

保証人がいなくても賃貸で暮らし続けられる

編集部(以下、略) 有田さんのところへ相談に来る方に、シングルの女性は多いでしょうか?

有田美津子さん(以下、敬称略) 特に50代のシングル女性は多いですね。早い方は30代からいらっしゃいます。親御さんのことについて、自分の住まいの問題と絡めて相談に来る方も多いですね。ずっと賃貸で、マンションを買うことも考えているけれど、いずれ親の介護が必要になったら自分が面倒を見ることになりそうだとか、親がいなくなった後の実家をどうするか、とか。家の話ってライフプランの話なので、相談に乗っているうちにいろんな問題が見えてくるんです。

 自分のマンションを持っているという方も、面倒を見てくれる下の世代が誰もいない場合は、どこかのタイミングで老人ホームに入らなければいけなくなる。そのための資金計画をしてくださいという方もいらっしゃいます。

―― まず素朴な疑問として、「賃貸派」のおひとりさまの場合、いずれ保証人の問題で住まいを見つけるのが難しくなるという話を聞くのですが、実際どうなのでしょうか。

有田 今はいろんな方法があります。保証人については、例えば都市再生機構(UR)の賃貸住宅なら保証人は不要ですし、礼金や仲介手数料もかかりません。また、保証人を付けるかどうかは大家さんの考え方によるもので、全体的には保証人不要の賃貸が増えています。その代わりに必ず保証会社を入れて、保証料は払ってくださいと。

 また、今はだいたいどの自治体にも高齢者向けの賃貸住宅があって、予算さえあれば、よりグレードの高い物件まで選択の幅は広がります。