「40代以降のカラダは若いころとは違う」――ARIA世代になると疲れやすくなるし、腰回りのお肉だって取れにくい。だから健康を意識して、糖質オフに挑戦してみたり、ランチにサラダチキンを選んだり。でも、それって本当に正解なの? 意外と間違えている食べ方の基本から、「老けないカラダ」を手に入れるための最新食事法まで、専門家に徹底取材。読んですぐに実践できるアドバイスが満載です。

老けないカラダをつくる食事法

 2012年ころから続く「糖質制限ダイエットブーム」に乗っかり、糖質制限ダイエットにチャレンジしたARIA世代は多いはずです。「目に見えて痩せた!」ものの、「やっぱりリバウンドしちゃった……」「体重は落ちたけど、しおれたような見た目に……」という声もチラホラ。加えて、「糖質制限にはデメリットもあるらしい!」という意見も耳に入るようになってきました。さて、その真偽はいかに? 1300人余りの患者と向き合う北里大学北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟さん、ホントのところを教えてください!

太りやすい体を作るのは、「カロリー制限」

―― まず山田さんにお聞きしたいことがあります。数年前に糖質制限ダイエットブームがありましたが、「糖質制限をしたら老けてしまった」という声がチラホラ寄せられています。

「2年前に半年間、糖質を一切とらないダイエットをしました。ご飯やパンなどの主食を抜き、甘いものもシャットアウト。体重は65キロから52キロに落ちましたが、しおれるように痩せてしまい、シワが増え、疲れやすくなりました。その後リバウンドしました……」

山田悟さん(以下、敬称略) この方が実践された食事法は、「厳しい糖質制限食」にあたり、かなりストイックなものです。糖質制限の極意を分かっていない方にありがちですが、糖質を極端に削ろうとして、純然と「カロリー制限食」の要素が強く表れてしまったのだと思われます。日本人が標準的にとっている1日当たりの摂取カロリーのうち、糖質が占める比率は50~60%ほどです。これを一切とらないようにした場合、その代わりにおかず(たんぱく質や脂質)を増やさないと、その食事は単なる「カロリー制限食」になってしまうのです。ストイックな糖質制限ダイエットで、老けたように感じる人の多くは、カロリー制限食になっていた可能性が高いです。

―― えっ、そもそもカロリー制限ってダイエットの王道ではないのですか?

山田 確かに私たちは、「腹八分目程度に食べるのがちょうどいい」と教わったように、「カロリーを抑えるのが体にいい」と思いがちです。しかし、とんでもない。現代の栄養学は近年大きくアップデートされ、カロリー制限にはむしろデメリットである、と結論づけられています。

 もちろん、カロリー制限には短期的には減量効果があります。しかし、ストイックな我慢の食事は継続が難しく、大半の人が断念し、リバウンドしてしまいます。

カロリー制限のデメリットは、
(1)体脂肪よりも先に、筋肉や骨を削ってしまう
(2)継続できず、リバウンドする
(3)リバウンドするときは体脂肪が増える
ということ。

 具体的にご説明しましょう。

 カロリー制限をすると、食事から得られるエネルギーが減ります。体で最もエネルギーを消費するのは筋肉です。ですから、体はエネルギーを節約するために、最もエネルギー消費率の高い筋肉からエネルギー消費を制限しようとし、筋肉が削られます。冒頭の方は、筋肉が削られたためにげっそりと痩せ、見た目も老けてしまい、たるみも生じてしまったのではないでしょうか。

 さらに怖いのが、リバウンドです。空腹を感じ、我慢をともなうダイエットは精神的にも苦しく、続きませんから、ほとんどの場合でリバウンドします。

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