多くの管理職が悩んでいる「部下のモチベーション管理」。人なし、金なし、時間なしの企業では、今いるチームのメンバーに最大限力を発揮してもらうことが、様々なプロジェクトを完遂するために不可欠です。「モチベーションって何? 向上させるためには管理職は何をすればいいの?」という疑問を専門家にぶつけたほか、モチベーションアップがうまいマネジャー「モチベ先生」たちの極意をお伝えします。

モチベ先生の極意 部下のやる気は上司次第

 若い女性を中心に、圧倒的な支持を集めるアパレルブランド、『サマンサタバサ』。創業間もない頃からプレス部門に参画し、海外のスーパーセレブへの出演交渉や取材対応など、数々の名プロモーションでブランドの地位と人気を押し上げた世永亜実さん。長年、プレス部門のリーダーとして活躍し、30代で執行役員に。2019年5月には41歳で取締役に就任、それを機に新しい働き方を選択するなど、会社の成長と共に自身もステップアップしている。

 社員の平均年齢は26歳。「96%が女性」という職場環境の中で、リーダーを務めてきた世永さんの周りには、いつも生き生きと働く20代の女性社員たちが数多く存在する。

 本人いわく、「もともとモチベーションが高い20代が多い」そうだが、きっと世永さん独自のマネジメント法やメンバーとの関わり方のコツがあるはず。なぜ若い世代の心をつかみ続けているのか? どのようにメンバーのやる気や能力を引き出しているのか? その極意や上司としての在り方を教えてもらった。

20代の女性社員に話せるのは2~3カ月先のことまで

―― 若い女性に人気のアパレルブランドということもあり、社員の方も20代の女性がたくさん活躍していますね。

世永亜実さん(以下、敬称略) 2~3年前までプレス(宣伝)の部署におりまして、その頃は30人の部下がいましたが、ほとんどが20代の女性社員でした。20代といえば「悩み多き年代」。まだ22~23歳の新人のスタッフだと「仕事に慣れない」という悩みに直面し、27歳ぐらいになると仕事もだいぶ分かってきて周りが見えてくる分、漠然とした不安や焦りが湧いてきます。

世永亜実さん
1977年生まれ。大学卒業後、芸能プロダクションに就職。その後、2002年にサマンサタバサジャパンリミテッドに転職し、プレスマーケティング部に所属。ヒルトン姉妹やヴィクトリア・ベッカム、ミランダ・カーの出演交渉、取材対応を担う。『サマンサタバサ』のブランド確立と知名度アップに多大なる貢献を果たし、プレス部門のトップに。結婚、出産を経て、2008年に同社執行役員、2019年に取締役に就任。同時に新しい働き方の提唱として、パラレルキャリアを選択。今後新たな分野にも挑戦していく。プライベートでは一男一女の母でもある。

 そして30歳を目前にすると、今度は「これからのライフプランをどうしよう」という人生の大きな悩みも出てくる……。常に悩みと隣り合わせにいる状態なので、いつもと様子が違ったり、落ち込んでいる表情が見えたら、「何か思っていることがあるの?」と電話して聞いたりもしますね。こちらから聞かなくても、仕事やプライベートで何かあると相談してくれるので、私なりに話を聞いてあげたり、アドバイスしたりすることも多いです。

―― 20代の若い女性たちと向き合う際に心掛けていることとは?

世永 本人と仕事やキャリアについて話すときには、数年先などあまり先のことは話さないようにしています。私は今、41歳なんですが、数年先の「45歳の自分」はなんとなく想像しやすくても、きっと若ければ若いほど、先のことは分かりにくいと思うのです。これから先のことを話したとしても、2~3カ月先ぐらいまで。夏の今の時期だとクリスマスまでがギリギリかな、と。