コロナショックとともに変わった仕事と暮らし。中でも、「時間」との向き合い方が大きく変わった人が少なくありません。仕事時間と自分時間の組み立て方、日々を充実させる方法、新しく始めた習慣や決別した習慣――。気になる著名人の時間活用法、仕事の現場で起きている時間管理の課題、読者の声などから新しい「時間の使い方」を考えます。

 2017年、46歳のときに2度目の現役引退を発表した伊達公子さん。現在は、テニス解説やジュニア育成、テニスコート&スポーツスタジオやベーカリーストアのプロデュースなど、多方面で才能を発揮しています。

 マルチに活躍する伊達公子さんは日々の時間をどう組み立てているのか、コロナ禍での過ごし方も併せて聞きました。

自粛期間は「充電期間」と割り切った

―― コロナ前後で、時間の使い方は変わりましたか?

伊達公子さん(以下、敬称略) 実は意外に変化を感じていないんですよね。もちろん、ウィンブルドンや全仏などのテニスの大会も中止や延期になり、海外に行くようなテレビの仕事はごっそりなくなってしまったので、実際には大きく変わっているんですが、自分の感覚としては「充電期間がきたな」と割り切っていました。トレーニングや英会話など、コロナ以前からスケジューリングされていたものは、自宅で筋トレやステーショナリーバイクを使った有酸素運動に取り組んで自主トレをしたり、英会話をオンラインレッスンに切り替えたりして継続しています。あまり日常が変わらなかったのでコロナ太りもなかったですね

テニス解説などで幅広く活躍する伊達公子さん。「毎年初夏はテニスの大会が開催されるヨーロッパで過ごしていたので、日本で、しかも自宅にこもって過ごしたのは久しぶりです」
テニス解説などで幅広く活躍する伊達公子さん。「毎年初夏はテニスの大会が開催されるヨーロッパで過ごしていたので、日本で、しかも自宅にこもって過ごしたのは久しぶりです」
7:30起床。シャワー、朝食、洗濯などの家事9:30~11:30  英会話オンラインレッスン12:00~13:00昼食13:00~17:00仕事、トレーニング18:00〜19:00お風呂やサウナ19:00〜20:00夕食23:00就寝

―― その「充電期間」はどのように過ごしていましたか?

伊達 けがで休んでいたとき以来になりますが、自宅にずっといるので、今まで手を着けられなくて放置されていたものを次々と片付けていきました。植え替えようと思って買ったのに、ずーっと置きっ放しになっていた植木鉢にようやく植え替え作業をしたり、ハーブを育てて料理をしたり。毎日ベランダの掃除ばっかりしていました(笑)。ほかにもぬか漬けを漬けたり、料理をしたり、家での時間を楽しみました。

ベランダではミントやバジル、青ジソなどを育てて、ハーブティーにしたり料理に使ったりした。外出自粛期間にはベランダで朝食を取ることもあったそう(写真提供/伊達さん)
ベランダではミントやバジル、青ジソなどを育てて、ハーブティーにしたり料理に使ったりした。外出自粛期間にはベランダで朝食を取ることもあったそう(写真提供/伊達さん)

―― 日経ARIAの読者には、大きな変化に直面して焦りや不安を感じたという人の声が多かったですが、伊達さんはいかがでしたか?