デジタル技術で生活が変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代と言われても、SNSもネット上の仕組みも、いまいち使いこなせていないと感じていませんか? やってみたら思った以上に世界が広がるネットの世界。仕事に、趣味に、クラウドファンディングやSNSやYouTubeを活用して、人生が豊かになってきたという人の声を聞いてみました。

 SNSやブログ、動画配信など、個人が情報発信する手段が多様化する中で、どんなことがリスクになるのだろう。どうすれば安全に発信し、サービスを利用できるのか、トラブルが起きたときどう対応すればいいのか。ネット上のリスク対策を手掛けるシエンプレ/シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所の主任コンサルタント 兼主席研究員 桑江令さんに話を聞いた。

編集部(以下、略) 最近、SNSの炎上が目立つように感じますが、どのような傾向にありますか?

桑江令さん(以下、桑江) 炎上件数は実際に増えています。背景として、働き方や生活のパターンが変わったことで、新たにSNSを利用する人が増加し、これまで利用してきた人も利用率が高くなっています。

 また、新型コロナ禍で社会的な不安が高まっていることで、ネット上でもギスギスした雰囲気がまん延しています。シエンプレ デジタル・クライシス研究所の調査によると、2020年は1日当たり3.9件、著名人や有名企業も含めて年間1415件の炎上が起こっています。これは19年の1228件に比べて15.23%の増加です。

 ここでいう炎上とは、SNSでリプライされたネガティブな発信が100件以上ある状態を指しています。下のグラフにはありませんが、21年の1月から5月の炎上件数は20年の同じ時期よりさらに増えています。

炎上発生件数は2019年に比べ、20年は増加、特に初めての新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が出た3月から5月ごろ、社会不安を背景に炎上が大幅に増加している。「コロナ関連」は2020年のデータ。出典/『デジタル・クライシス白書2021』(シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所)
炎上発生件数は2019年に比べ、20年は増加、特に初めての新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が出た3月から5月ごろ、社会不安を背景に炎上が大幅に増加している。「コロナ関連」は2020年のデータ。出典/『デジタル・クライシス白書2021』(シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所)