デジタル技術で生活が変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代と言われても、SNSもネット上の仕組みも、いまいち使いこなせていないと感じていませんか? やってみたら思った以上に世界が広がるネットの世界。仕事に、趣味に、クラウドファンディングやSNSやYouTubeを活用して、人生が豊かになってきたという人の声を聞いてみました。

 産婦人科の医師不足により、出産ができる医療施設が年々少なくなっている。特に人口が多い都市部と地方での格差は大きい(※)。2万4000人以上の人口がいる広島県竹原市では、現在産科が1つもない状況だ。そんな中で立ち上がったのが、竹原市にある「つぼみ助産院」院長で助産師の長濱真由さん。産科のない竹原市の妊婦さんが安心して出産できるよう、産後の母子宿泊施設をつくるためにクラウドファンディングで資金調達を行い、400万円の支援を受けることに成功した。

※参照:厚生労働省「第1回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」(2019年2月15日)
「つぼみ助産院」院長 長濱真由さん
「つぼみ助産院」院長 長濱真由さん
1981年広島県生まれ。総合病院、個人病院で助産師としての勤務を経て、2012年に「つぼみ助産院」を開業。自宅出産、出張や外来での産前産後ケアや母乳育児相談などを行う。

編集部(以下、略) なぜクラウドファンディングで資金調達をしようと思ったのですか?

長濱真由さん(以下、長濱) 竹原市の妊婦さんたちは近隣市町に時間をかけて通院し、出産します。産後1週間ほどの入院を経て自宅に戻られますが、その後の母乳育児の相談や産後のケアをしてほしくても、出産した病院までは片道1時間以上もかかることがあります。そのため、以前から、竹原市内でママたちを24時間サポートできるような宿泊施設の必要性を感じていました。でも、私たちの助産院内で宿泊サービスを提供するには、消防設備を備えることが必須ということで、その資金を集めるためにクラウドファンディングを行いました。

―― 金融機関からの融資などではなく、クラウドファンディングを選ばれた理由は?