海外部門で活躍できるのは「語学力が優れた人」と思っていませんか。実際には「英語は必要になったとき必要なことを学んだ」という人も多くいます。社内公用語化など、「何はなくともとにかく英語」という風潮に反対の立場を取る成毛眞さん。英語以上にアメリカ人の思考のクセや交渉のコツを学べと語る英会話トレーナーの小林真美さん。そして「ペラペラ英語」でなくてもビジネスで「堂々と勝ってきた人」3人の体験談を紹介します。

脱・ペラペラ信仰!最強のグローバル人材

 世界に誇れるメード・イン・ジャパンのブランドを作るという思いを胸に、工場直結のファッションブランド「ファクトリエ」をスタートさせた山田敏夫さん。2019年には、台北で1万人の聴衆の前に、50分間の英語スピーチを披露して会場を熱狂させた。山田さんは「英会話教室に通う」という選択をせず、無理なく続けられる英語学習法を選択し、英語力を磨いてきた。山田さんが編み出した、誰でも習慣化できる「ながらSkype英会話」と、強い思いで乗り切る「度胸英語」とは?

ファクトリエ代表、ライフスタイルアクセント代表取締役 山田敏夫さん 
1982年、熊本県生まれ。1917年創業の老舗用品店の息子として、日本製の上質で豊かな色合いのメード・イン・ジャパン製品に囲まれて育つ。2012年からメード・イン・ジャパンの工場直結ファッションブランド専門通販サイト「ファクトリエ」をスタートさせた。近著に『ものがたりのあるものづくり』(日経BP社)がある

「英語は避けて通れない道」と覚悟した7年前

―― 「Skype英会話」を7年間続けていると伺いました。7年間って、すごいですね。

山田敏夫さん(以下、敬称略) 7年前はちょうどSkype英会話が始まったばかりのときで、当時は月に3000円強でした。日割りにすれば100円ちょっとで25分間話せる。お得だ! と思ったんです。先生はフィリピンの若者で、毎朝6時に電話がかかってきます。目覚まし時計代わりですね。

―― そもそも英会話レッスンを始めようと思ったのはどうしてですか?

山田 7年前に「世界に誇れるメード・イン・ジャパンのブランドを作る!」とファクトリエを創業したんですが、日本発のものを海外に売っていく、という局面を考えると、「英語は絶対やんなきゃいけないことだな」と。それだけですね。

―― 英会話スクールなど選択肢がある中でSkype英会話が続いたのはなぜでしょう。

山田 英会話スクールの体験授業をいくつか受けたんですが、山ほど直されてうんざりしたんです。文法、単語、スピード、抑揚……話したくなくなりました。そのとき思ったのは、僕が必要としているのはテクニック論ではないということ。言葉の戦いじゃない。武装はやめて、不器用でも思いを伝えるほうがいい。だって、相手のことを知りたいという思いで人と人はつながるわけでしょう?

 Skype英会話では、「昨日と同じ話ができない」のがミソなんです。25分間フリーで会話する相手は、明日もまた話す同じ人。だから、違う話題を作らなきゃいけない。今日こんなこと思ったな、とか、出張先は日本のどこにあって人口はどのぐらい、とか、日本の神社や仏閣、文化の話なども調べたりしています。分からない言葉はGoogle翻訳にぶち込んで、見ながら話すこともあります。

―― それにしても7年間、山あり谷ありしつつも朝6時から継続しているのが尊敬に値します! 継続のコツは?

毎朝6時から、30分間のSkype英会話を習慣化。無理することなく、できるだけ毎日続けるための山田さん流の斬新な工夫がありました