海外部門で活躍できるのは「語学力が優れた人」と思っていませんか。実際には「英語は必要になったとき必要なことを学んだ」という人も多くいます。社内公用語化など、「何はなくともとにかく英語」という風潮に反対の立場を取る成毛眞さん。英語以上にアメリカ人の思考のクセや交渉のコツを学べと語る英会話トレーナーの小林真美さん。そして「ペラペラ英語」でなくてもビジネスで「堂々と勝ってきた人」3人の体験談を紹介します。

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英語力よりも海外流「ビジネスの進め方」を知って勝つ


 外資系企業勤務が通算22年、現在は会社経営者や管理職の人にビジネス英語の個別指導を行っている小林真美さん。前回、「海外との会議では『私は英語が苦手で申し訳ありません』とは言わない」「英語が流暢でなくても、結論を用意したり、理由を3つに絞って書いたり、分かりやすく伝える努力はする」などの話を聞きました。

 この記事では、会議の素朴な疑問、ビジネスで役立つ英語のフレーズや勉強法について、ARIA世代に向けてQ&A形式で小林さんに答えてもらいます。

「なんとなく顔合わせ」は日本式

Q. 日本式の会議習慣で、海外に持ち込まないほうがいいことは?

小林真美さん(以下、敬称略) 海外ではゴールを決めて会議を行うケースが多いので、「なんとなく顔合わせ」といった会議は、好ましく思われません。もちろん国の文化やその人の性格によって、人間関係づくりに力を入れているケースもあるので一概に言えませんが、相手の文化や性格を見ながら合わせましょう。

 日本人の場合、商談や打ち合わせなどで、雑談からじわじわと本題に入り、重要な話は最後にする、ということもあるでしょう。一方、海外でもウォーミングアップの雑談は大事ですが、いざ仕事に切り替わったら「もっとも重要な話」からスタートすることが多いです。

 ビジネス全般において「アメリカは予習型、日本は復習型」だと感じています。