海外部門で活躍できるのは「語学力が優れた人」と思っていませんか。実際には「英語は必要になったとき必要なことを学んだ」という人も多くいます。社内公用語化など、「何はなくともとにかく英語」という風潮に反対の立場を取る成毛眞さん。英語以上にアメリカ人の思考のクセや交渉のコツを学べと語る英会話トレーナーの小林真美さん。そして「ペラペラ英語」でなくてもビジネスで「堂々と勝ってきた人」3人の体験談を紹介します。

英語が話せない日本人、と劣等感を抱く必要はなし

 1991年から9年間、マイクロソフト日本法人の代表取締役社長を務めた成毛眞さん。「Windows 95」の爆発的なヒットを仕掛けた立役者であり、ビル・ゲイツなどの世界の名だたる成功者とも渡り合ってきた経験を持つ。

 外資系企業のトップとして、グローバルな活躍をしてきた成毛さんだが、意外にもマイクロソフトに入った当時は英語がほとんど話せず、シアトル本社への出張をするようになってから現場で覚えたという。

外資系企業のトップとして、グローバルな活躍をしてきた成毛さん
外資系企業のトップとして、グローバルな活躍をしてきた成毛さん

 そうした実体験をもとに書かれた著書『日本人の9割に英語はいらない』では

「英語は単なるビジネスツールのひとつに過ぎない。形ではなく、中身が肝心」
「英語が話せないからと日本人は劣等感を抱く必要はないし、むしろ英語圏の人が習得しづらいほど唯一の言語を使っているのだと、誇りを持ってもいい」

 などの言葉がつづられており、英語へのコンプレックスを抱きがちな日本のビジネスパーソンに勇気を与えている。

 英語ができなくても実際に海外で活躍できるのか? 外国人とビジネスの場で対話をする際に心掛けたほうがいいこととは? 成毛さんに話を聞いた。