「新しい生活様式」が示されている今、私たちの働き方にも、暮らし方にも、見直しや工夫が求められています。急激な環境の変化にストレスや不安ばかりを覚えるのではなく、「千載一遇の機会」と前向きにとらえるにはどうしたらいいか。暮らし方、家のワークスペースづくり、副業による収入先の分散、学び……。今こそ一歩を踏み出したいことについて取材しました。

 「新しい生活様式」が示されている今、私たちの働き方にも、暮らし方にも、見直しや工夫が求められています。急激な環境の変化にストレスや不安ばかりを覚えるのではなく、「千載一遇の機会」と前向きにとらえるにはどうしたらいいか。暮らし方、家のワークスペースづくり、副業による収入先の分散、学び…。今こそ一歩を踏み出したいことについて取材しました。

米イェール大学の「幸福学」をオンラインで受講する人たち

 新型コロナウイルスの感染が世界的に急拡大した今年3月から、ネット上で爆発的にある現象が起きていました。オンラインでの「学び直し」の急増です。

 欧米の一流大学の膨大な数の講義がほぼ無料で利用できるMOOC(大規模公開オンライン講座。ムーク)の登録者が急増。米スタンフォード大学やイェール大学など多くの講義コンテンツを配信する大手、コーセラでは3月からの2カ月間で1000万人が新たに登録したといいます。

 コロナ禍による失業や職の先行き不安で、キャリアチェンジのためにスキルを学ぼうとする人だけでなく、ステイホームとその後の不安な未来を生き抜くための知恵と知識を学問に求めた人もいました。「幸福学」を学ぶイェール大学の講座には3月の週末の2日間だけで50万人が登録、現在は200万人以上が学ぶ人気講座です。

 学び直しの急激なオンラインシフトは日本でも同様に起きています。オンライン講座を提供するドコモgacco(東京・港)の佐々木基弘社長は「家にいる時間が増え、健康や将来への不安がある中で、多くの人が『人生の残り時間で何をするか』を考え、学びたいという意識が大きく高まったのでは」と言います。

 オンラインへのシフトによって、学びはより能動的で、カジュアルなものになりつつあります。一歩踏み出して新しいことを学ぶハードルが下がっただけでなく、自分が学んだスキルを誰かに教えるというハードルも下がりました。学びや趣味の対面・オンライン講座の開催を支援するストリートアカデミー(東京・渋谷)ではコロナ以降、「オンラインで教えたい」人が急増。副業・兼業として講師をする人や、仕事で蓄積したスキルを教えて社会に還元したいという動機で始める人も。ウィズコロナで変わる学びの動向を探りました。