「新しい生活様式」が示されている今、私たちの働き方にも、暮らし方にも、見直しや工夫が求められています。急激な環境の変化にストレスや不安ばかりを覚えるのではなく、「千載一遇の機会」と前向きにとらえるにはどうしたらいいか。暮らし方、家のワークスペースづくり、副業による収入先の分散、学び……。今こそ一歩を踏み出したいことについて取材しました。

 緊急事態宣言が解除され、通勤や他県への移動に制限はなくなりましたが、依然としてテレワークがニューノーマルになりつつある企業も少なくありません。テレワークが長期化するとなれば、少しでも快適な仕事スペースを確保したいもの。実際に、部屋の模様替えやリフォーム、引っ越しを検討している人は増えています。テレワークが一般的になることで私たちの住まいにどんな変化が起き、どんな工夫が始まっているのか、取材しました。

テレワークで発覚! 快適なはずのわが家の問題

 リクルート住まいカンパニーが調査したところ(詳細は下のグラフのキャプションを参照)、少しでもテレワークをしているという会社員や公務員の割合は、新型コロナの影響がなかった2019年11月は17%だったのに対し、コロナ禍で外出が制限された2020年4月は47%に増加。また、テレワークをしている人に仕事の時間に占めるテレワークの時間の割合を聞いたところ、10%未満という人が2019年11月は約半数でしたが、2020年4月は90%以上という人が約3割もいたそうです。

 家で仕事をする時間が増えたために、これまでとは違う悩みを住まいに対して持つ人が増えた、と不動産サイト「SUUMO」編集長の池本洋一さんは言います。

 「これまで昼間は会社にいて家を留守にしていた人たちが、日中も在宅し、しかもそこで仕事をするようになると、まず気になってくる家の問題が、『広さ』です。仕事部屋どころか仕事のできるスペースさえなく、リビングで作業している人が調査では55%に上りました。次に『騒音』。オンライン会議の声が隣室にまで聞こえてしまったり、反対に自宅や近所の生活音が聞こえてきたり、これまで気にならなかったことも、在宅率が増えたことでストレスになっています。今後もテレワークが続くと予想して、引っ越しを検討する人も増えています」(池本さん)

テレワークに際する不満  オンオフの切り替えがしづらい 35%  仕事専用スペースがない 33%  仕事用のデスク/椅子がない 27%  モニターやプリンターなどの備品が十分ではない 22%  仕事の資料、PCなどの置き場、収納スペースがない 20% ネット環境が悪い 18% 1人で集中するスペースがない 15%  仕事に適した共用部(ワークスペース)が充実していない 14%  遮音性が低い 13%  テレビ会議可能な環境(部屋・スペース)がない 9%  子どもを見つつ仕事可能な環境(部屋・スペース)がない 8%  仕事関係の来客との打ち合わせスペースがない 5%  その他 6%
テレワーク実施場所  リビングダイニング(ダイニングテーブル) 55% 専用ルーム(書斎など) 16% リビングダイニング(仕事専用デスク/専用スペース) 15% 寝室 14% その他の自宅の部屋 14% カフェ 2% サテライトオフィス 1% マンション共用スペース 1% コワーキングスペース/シェアオフィス 1% ベランダ・屋上・庭など自宅の屋外空間 1% その他 1%
出典:リクルート住まいカンパニーが2020年4月17日~4月20日に実施した『コロナ禍を受けたテレワーク(リモートワーク)に関する実態調査』を基に編集部で作成。調査対象は関東甲信の9都県に住む20~64歳の会社員(役員、経営者、派遣社員、契約社員含む)と公務員の男女。有効回答数は1390

 こうしたテレワークに適さない部屋を改善するにはどんな方法があるのか、具体的なヒントを教えてもらいました。

テレワークのための部屋作りのヒント ・○○○○○○○をDIYで作る ・○○○○○○の奥をワークスペースに ・オンライン会議の背景に○○○○ ・○○○○○デスクをひざの上で使う
自分でできる、自宅でのテレワークを快適にするための工夫とは? 次ページから紹介