「新しい生活様式」が示されている今、私たちの働き方にも、暮らし方にも、見直しや工夫が求められています。急激な環境の変化にストレスや不安ばかりを覚えるのではなく、「千載一遇の機会」と前向きにとらえるにはどうしたらいいか。暮らし方、家のワークスペースづくり、副業による収入先の分散、学び……。今こそ一歩を踏み出したいことについて取材しました。

 コロナ禍で急激に変わったものの1つが、働き方でしょう。オフィスに人が集まって働くという前提が突然崩れて、オンラインで代替できるかどうかという視点から業務が見直されました。

 予想もしなかった業種業態が休業や廃業、事業転換を余儀なくされ、1つの会社、1つの仕事に依存することのリスクを感じた人も多かったはずです。そして、簡単に「密」になりやすい都市に住み続けることのデメリットを改めて考えた人もいることでしょう。

ソーシャルディスタンスが保たれた自然あふれる村へ移住

 近年、ARIA世代の間でも関心が高まっている地方移住。コロナ禍によって、移住希望者は全国的に増加傾向にあるようです。

 これまで移住する上で壁の1つとなっていたのが、移住後の仕事をどうするかでした。どこからでもオンラインで働ける仕事が増えれば、それもほぼ解決します。

 今回は、一足早く東京から人口約1000人の長野県南相木村に3人の子連れで移住し、パラレルワーク&テレワークを続けている大井邦子(42歳)さんに、「3密」とは無縁な村での暮らしと働き方を聞きました。

新築の家賃が○万円…恵まれすぎている住環境

 大井さんが長野県南相木村に移り住んだのは2019年の3月。「前年の12月に見学に行ってすぐ気に入り、1月には小学校の見学に行って、子どもが『もう帰りたくない』というほどでした」。現在、夫は仕事のために東京に残り、大井さんと小学5年生の長男長女、保育園児の次女の4人が村で暮らします。

 それまで住んでいたのは東京都千代田区。「上の2人が双子なので、子育てのためとにかく家から近い、満員電車に乗らずに済むところで仕事ができるように都心に住んでいました

 実は、南相木村のほかにも何カ所か移住先候補地を見に行っていた大井さん。決め手の1つになったのは、新築の村営住宅だったそうです。

一足先に移住、テレワークをしてみて気づいたことは?(※長野県南相木村の場合)
一足先に移住、テレワークをしてみて気づいたことは?(※長野県南相木村の場合)