日経ARIA読者の約4割は管理職。人材不足や膨大な業務量の中で、部下の育成、成果の出し方、上司・経営層とのコミュニケーション……と悩む人も少なくない。「理想の上司像が分からない」という声も。そこで、管理職としての「人間力」を高めた「修羅場経験」にフォーカスし、大きな組織やプロジェクトを動かしながら部下から慕われるアネゴ管理職たちを徹底取材! 部下たちの本音にも迫ります。

アネゴ管理職の凄い人間力

 伊藤みどりさん(64)は積水ハウス初の女性営業、店長などを歴任し、男性中心の建築業界で女性が活躍する道を切り開いてきたパイオニア。51歳で女性活躍推進室の初代メンバーになった後は、女性営業の離職防止や、子育てと仕事の両立支援などに奔走してきた。2018年、ダイバーシティ担当の執行役員になるとすぐに、男性育休の完全取得(1カ月以上)に踏み切り、同社が世間から大きく注目されるきっかけをつくった。

【伊藤さんの経歴】
1974年積水ハウス入社、モデルハウスでの接客・営業補佐業務を10年間従事。1984年第一子出産後、営業(総合職)に転換。2005年女性初の営業成果累積300棟を達成し、社長表彰を受ける。2006年人事部女性活躍推進グループ設置を機にリーダーに就任。2014年経営企画部ダイバーシティ推進室長。2018年から現職

 営業時代はそれまでの慣習にとらわれない、社宅や団地の「奥様」とのネットワークを作り上げていく地道な営業活動を仕掛け、のちに社長表彰も受けた。伊藤さんの背中を見て「自分たちも営業をしたい!」と希望を持った女性社員は多く、伊藤さんの部下だった女性は「いつもメンバーのことを思い、部下のためには上司と戦うこともいとわないような人」と伊藤さんについて語る。伊藤さんは営業時代も、女性活躍推進の担当になった後もそれぞれ「修羅場」といえるような経験をしながら、そこから新たに学び、ステップアップしていった。

 そんな伊藤さんが女性の両立支援策だけでなく、男性の育休義務化を社内からの反発もありながらスピード実現した理由、その方法とは? そして、さまざまな「女性初」の道を進みながらも、「結局は女性、男性という性差ではなく、個人差」と思うに至った理由とは。5ページ目では部下から見た伊藤さんの「人間力」を感じたエピソードも紹介する。

5ページでは、伊藤さんの人間力を感じられるエピソードについて詳しく聞いた