日経ARIA読者の約4割は管理職。人材不足や膨大な業務量の中で、部下の育成、成果の出し方、上司・経営層とのコミュニケーション……と悩む人も少なくない。「理想の上司像が分からない」という声も。そこで、管理職としての「人間力」を高めた「修羅場経験」にフォーカスし、大きな組織やプロジェクトを動かしながら部下から慕われるアネゴ管理職たちを徹底取材! 部下たちの本音にも迫ります。

アネゴ管理職の凄い人間力

 求人・求職情報サービスのエン・ジャパンで女性社員を取材すると必ず、「仕事に対する姿勢や働き方に影響を与えてくれた人物」として名前が挙がるのが、取締役でブランド企画室室長の河合恩(めぐみ)さん(56歳)だ。営業を経験後、数々の事業を立ち上げてきた。部下たちからは「マーケットニーズの見極めと企画力は随一」と一目置かれ、男女問わず多くの社員から慕われている。

【河合さんの略歴】
1984年に短大を卒業して教育業界に就職。1990年に日本ブレーンセンター(エン・ジャパンの前身)へ転職し、求人広告の営業として活躍。30歳でマネジャーになり、人材派遣事業を立ち上げ。42歳で取締役になり、45歳で3つの事業の部長を兼務。48歳でウエディング事業の責任者に就任するも、黒字化が見込めず撤退。50歳でブランド企画室長に就任。翌年、日経広告賞を受賞。2016年から全国の女性社員の声を聞くランチ会「めぐめし」を企画。

 とはいえ、河合さんはきめ細かな配慮で部下たちに常にやさしい言葉を掛け続ける人、というわけではない。本質を突いた鋭い言葉で部下の悩み相談を一刀両断することもあれば、修羅場でも淡々と手を打つ勝負に強い人だ。

「大局で物事を俯瞰して見る」のが河合さんの強み。この強みは、河合さんのある習慣によって作られた。3ページ目で詳しく紹介する

 自身が立ち上げた事業の撤退、担当する大きなプロジェクトの失敗など、多くの修羅場をくぐってきた。失敗を重ねると大胆な選択を取るのは避けがちだが、「リスクのない決断なんてない」と河合さんは言う。強い心で組織をリードする秘訣とは? 大きな修羅場を共に経験した部下二人が本音で語る、河合さんの人間力にも迫る。

5ページ目では、なぜ、河合さんが多くの部下から慕われているかが分かるエピソードを紹介