日経ARIA読者の約4割は管理職。人材不足や膨大な業務量の中で、部下の育成、成果の出し方、上司・経営層とのコミュニケーション……と悩む人も少なくない。「理想の上司像が分からない」という声も。そこで、管理職としての「人間力」を高めた「修羅場経験」にフォーカスし、大きな組織やプロジェクトを動かしながら部下から慕われるアネゴ管理職たちを徹底取材! 部下たちの本音にも迫ります。

 絹川幸恵さん(54歳)は、2017年にみずほ証券で女性初の執行役員に就いた、まさに均等法第一世代。支店長として130人以上の従業員を率いて、低迷していた支店の士気を上げ、社内表彰受賞へ導いたこともあるアネゴ管理職だ。

【絹川さんの経歴】
【絹川さんの経歴】
1988年に京都大学を卒業後、女性総合職二期生として富士銀行に入行。支店勤務の後、債券ディーリング業務に従事。その後、富士証券(現みずほ証券)では債券トレーダーに。30歳で育児休業を1年取得。復帰後は、債券営業の企画業務を7年担当。2004年に40歳で市場営業第4部長、2008年に人事部ダイバーシティ推進室長。2010年にウエルスマネジメント部長に就き、2年ぶりに部長職に復帰。成城支店長、名古屋駅前支店長を歴任し、2017年から執行役員名古屋支店長、2019年から執行役員リテール・事業法人部門営業担当役員としてプライベートバンキング業務を統括

 絹川さんが初めて部長職に就いたのは40歳のとき。子育てとの両立のため営業の最前線から離れていたときに「もう一度、営業をやってみないか?」と常務に声を掛けられ、未経験の部署の部長に抜てき。その部長時代に絹川さんは不本意な理由で部長解任という壮絶な修羅場を経験する。「このどん底体験が、すべての原点」と絹川さんは振り返るが、修羅場経験がその後の彼女の行動にどんな影響を与えたのか。部下たちにどんな言葉をかけ、どうやって大きな組織を束ねる立場まで上ってきたのか。

3ページに出てくる絹川さんの「腹のくくり方」は、まさにアネゴの凄さを感じさせる
3ページに出てくる絹川さんの「腹のくくり方」は、まさにアネゴの凄さを感じさせる

 チームがバラバラで成果が上がらないとき、全体方針と現場運営の間にギャップを感じたとき、何度挑んでもやりたい施策が差し戻されたとき……そんな管理職あるあるなシーンでの打開策が、絹川さんのただならぬ「人間力」エピソードに詰まっている。5ページ目ではリアルな部下も登場。部下から見た、絹川さんの修羅場の乗り越え方も必見だ。

5ページでは、絹川さんの金言エピソードについて詳しく聞いた
5ページでは、絹川さんの金言エピソードについて詳しく聞いた