あらゆる生活のスタイルと世の中の常識が激変したコロナ禍。感染再燃への不安を抱えながら、未経験の「新しい生活様式」への対応で、目に見えないストレスと疲れは思った以上に蓄積しています。長いステイホームと、自粛明けの環境変化からくる心身の変調を見逃さないで。ポストコロナの日常の中で、心と体をリフトアップする新習慣を紹介します。

 自粛期間も出勤していた人、完全なテレワークで家にこもっていた人、会社の業績が悪化してしまった人……。不安や停滞感、イライラを感じやすい時期です。組織のメンタルヘルスや災害時のストレスケアに詳しい元自衛隊臨床心理士の玉川真里さんに、それぞれの状態に合わせた乗り越え方を聞きました。

【ケース1】久しぶりの出社に気持ちが重い…

―― 長い自粛生活が段階的に解除になっています。テレワーク明けは、出社したくない気持ちが募り、憂鬱(ゆううつ)になる人も多いようです。

朝、起きてはみたものの、通勤電車に乗るのがつらい…(写真はイメージ)
朝、起きてはみたものの、通勤電車に乗るのがつらい…(写真はイメージ)

玉川真里さん(以下、敬称略) 夏休み明けの子どもがしんどさを感じるように、自粛明けの出社はつらくて当たり前です。家と会社では生活スタイルも生活リズムも違います。テレワークに慣れるのに時間がかかったように、自粛前には当たり前にやっていたことでも、久しぶりの出社となると慣れるまでには「時間がかかる」と心得ておきましょう。

 出社は憂鬱かもしれませんが、出たついでに「あそこでケーキを買おう」「ぜいたくランチを食べよう」と仕事以外の楽しみを見つけ、外に出ることへの喜びを探してみましょう。いきなり、完璧に「元に戻ろう」とすると無理をしてしまいます。「元に戻す」のではなく、「新しい生活を模索する」と考えて進めていきましょう。