がん検診や人間ドック…「必要な検診」をちゃんと受けていますか? 更年期前後でやっておくべきことは? 30年前に虫歯治療した歯はそのままでOK? 美容の知られざる最新情報は? かつての「常識」が今も通用するとは限りません。ARIA世代を取り巻く健康情報の新常識をお届けします。

巣ごもり需要で売れる美容家電

 コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増たせいか、美容家電が売れている。家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさんによると、「いつもは乾燥対策として秋冬に売れるスチーマーが2020年の夏以降、年間通して売れ続けています。マスクによる肌荒れに悩む人が増えているため、肌を保湿するスチーマーなどが美容家電の入り口として人気なのだと思います」と分析する。美容家電や化粧品を専門に扱うメーカー、ヤーマンは2021年4月期の売上高が前期比59%増と大きく伸びている。

 自宅での巣ごもり美容に便利な美容家電だが、何を選べばいいのか。注意すべき点を皮膚科医の友利新さんに聞いた。「美容家電を使うとき気を付けてほしいのは肌をこすらないことです。ローラーやかっさタイプのもので皮膚をグイっと押し上げると摩擦で炎症が起こり、シミや肝斑の悪化につながります。滞ったリンパを刺激すると老廃物が流れるのでむくみが取れて一瞬、頬が上がったような気がしますが、継続するものではないですし、皮膚の負荷を考えると毎日のケアに取り入れることは勧められない。まずは肌をこすらずに使える機器を選びましょう。

 イオン導入機やRF(高周波・ラジオ波)やEMS(低周波)を使った美顔器は、肌に負荷をかけないように1カ所ごとにそっと肌に置くように当てたり、専用のジェルで肌を保護したりしながら滑らせて使うといい」

 製品選びで重視すべきことは「機能が分かりやすくシンプルなこと」と神原さん。「機能をたくさん盛り込んだものよりは、個々の悩みに特化したシンプルな機器のほうが使い方も簡単で効果を感じやすい。また使い続けられることが大事なので、使い方のルールが多いとせっかく高いものを買っても使用頻度が減ってしまいます。値段に関わらず、使う頻度が高いことがコスパにつながる。すぐに出して使えるように付属品が多くないことや、ドレッサーなどに出しておいても邪魔にならないこと、充電しやすいことなども使い続けるための大事な要素です」(神原さん)

(左)家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさん 東京・広尾の「家電アトリエ」を拠点にテレビや雑誌、Webで家電情報を発信している。(右)内科・皮膚科医の友利新さん 医師という立場から美容と健康を医療として追及。YouTube、インスタグラムなどでも発信
(左)家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさん 東京・広尾の「家電アトリエ」を拠点にテレビや雑誌、Webで家電情報を発信している。(右)内科・皮膚科医の友利新さん 医師という立場から美容と健康を医療として追及。YouTube、インスタグラムなどでも発信

 具体的にはどんな製品がお薦めなのか。実際に使って良かったものを2人に聞いてみた。