がん検診や人間ドック…「必要な検診」をちゃんと受けていますか? 更年期前後でやっておくべきことは? 30年前に虫歯治療した歯はそのままでOK? 美容の知られざる最新情報は? かつての「常識」が今も通用するとは限りません。ARIA世代を取り巻く健康情報の新常識をお届けします。

 閉経後、骨密度が急降下するARIA世代はぜひ一度検査しておきたい「骨密度」。では、骨密度が低めという診断結果が出たら? あるいは骨粗しょう症リスクが高そうで心配な人はどうすればいい? 「骨粗しょう症については近年、研究が大きく進歩しました。予防効果のある運動や栄養素、そして治療法も確立されてきています」と、よしかた産婦人科院長の善方裕美さん。筋肉も骨も、過去の貯金は使えないからこそ、「減らさず、できれば増やしていくセルフケア」を始めよう。

体に衝撃を加える運動で骨を強くする

 月経周期が不規則になったり、経血量が少なくなったりするなど「そろそろ閉経かも?」という変化を感じ始めたら、女性ホルモンと同様に急降下する「骨密度」も測ることが大切、と前回の記事でお伝えした(「骨粗しょう症は自覚症状がない 更年期世代がすべきこと」)。特に骨密度低下に注意したいのは以下に当てはまる人だ。

骨粗しょう症リスクの高い人
□家族に骨粗しょう症の人、大腿(たい)骨骨折をした人がいる
(母娘間の骨密度の遺伝性は大腿骨の付け根で67%という報告も)
□無月経、稀発月経(月経の頻度が少ない)、早期の閉経
□痩せ型、低体重(ある程度の体重があると重力刺激によって骨が強くなる)
□喫煙習慣がある
□カルシウムやビタミンDの摂取が少ない食生活
□体をあまり動かさない生活習慣
□25歳時の身長より4cm以上身長が縮んだ

 「自分はリスクが高そう」という人は、ぜひ現状の骨密度がどのぐらいかを確かめよう。「正常値の場合、次回の測定までは3~5年ほど空けてもよいですが、上記の骨粗しょう症リスクの高い人は、現在正常値であっても2年に1回ぐらいのペースで検査を受けることをお勧めします」(善方さん)

 幸いなことに、骨粗しょう症に関する研究は近年、一段と進歩し、運動や栄養素など、有効なセルフケアも分かってきているそう。まず意識したいのが、「運動不足の解消」。更年期以降は、筋肉量も骨密度も低下していく。「若いときに運動をしていたから大丈夫、と思いたくなりますが、悲しいことに筋肉も骨密度も昔の貯金には頼れず、誰もが等しく低下していきます」(善方さん)

更年期以降は、筋肉も骨密度も低下していく。それを防ぐには、「ただ歩く」だけでは不十分。どうすればいい?
更年期以降は、筋肉も骨密度も低下していく。それを防ぐには、「ただ歩く」だけでは不十分。どうすればいい?