がん検診や人間ドック…「必要な検診」をちゃんと受けていますか? 更年期前後でやっておくべきことは? 30年前に虫歯治療した歯はそのままでOK? 美容の知られざる最新情報は? かつての「常識」が今も通用するとは限りません。ARIA世代を取り巻く健康情報の新常識をお届けします。

 歯を失う原因である「歯周病」や「虫歯」のリスクは、加齢とともに高まっていくという。歯を1本でも多く残すことは、体全体の健康や長寿に結びつくことも最新の研究で分かってきた。「一生、自分の歯で食べたい」と思う人こそ、40~50代からしっかりと歯に関する知識をアップデートする必要がある。そこで、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野教授の水口俊介さんに、歯を失わないためのケアの仕方、万一歯を失った場合の義歯の選び方について聞いた。

義歯を使う人は40~50代で急増

 最新の調査によると、何らかの義歯(ブリッジ、部分入れ歯、総入れ歯、インプラント)を使っている人の割合は40~50代以降にぐっと増加し、ブリッジに至っては50代半ば以降、50%近くが使用しているという。歯の喪失が進むにつれて、「ブリッジ→部分入れ歯→総入れ歯」と、より大きな義歯を使用するようになり、80歳以降では30%以上が総入れ歯を使用している(グラフ)。

全国6278人の男女を対象にした調査。何らかの義歯を装着している人は55歳以上で半数を超え、85歳未満ではブリッジが最も多いが、そのピークは65歳以上70歳未満で約半数に見られた。インプラント装着者はどの年齢階級でも5%に満たなかった。(データ:「平成28年歯科疾患実態調査」厚生労働省)
全国6278人の男女を対象にした調査。何らかの義歯を装着している人は55歳以上で半数を超え、85歳未満ではブリッジが最も多いが、そのピークは65歳以上70歳未満で約半数に見られた。インプラント装着者はどの年齢階級でも5%に満たなかった。(データ:「平成28年歯科疾患実態調査」厚生労働省)

 「歯を失う2大原因は、歯周病と虫歯です。いずれも食生活の仕方やケアの問題といった生活習慣が原因となる、生活習慣病です。そして、ぜひ知っていただきたいのは、40~50代ぐらいから、歯周病、虫歯、特に虫歯においては、そのリスクが高くなっていくことです」と水口さんは言う。