ARIA世代のアンケートで、自分の健康やお金の次に気にかかっているのが「親の健康と介護」(38%)。仕事で忙しくしてきたARIA娘から、少しずつ老いゆく親へ、元気なうちだからこその「贈りもの」とは? 遺影にも使える記念写真の撮影とメイク、実家の片付けなど、親も娘も心に残るイベントや言葉をご紹介。

お母さんをきれいに撮ってあげたいけれど…

 こんにちは、ARIA世代のライター、やまきひろみです。最近、60歳以上のシニア世代を専門とする写真館が話題を呼んでいるんです。ごく自然なのにぐんと若々しく見えるヘアメイクをして撮影してもらえると評判になって。出来上がった写真は遺影にも使えるので、終活としても人気らしいです――。

 そんな話を日経ARIA編集部のOさんに持ちかけたら、「うちの母、最近『もうモノはいらないのよね』って言うんですよ。ちょうど誕生日も間近だし、モノを贈る代わりに、プロのヘアメイクと写真撮影をギフトにしたら喜んでくれるかも!」と興味津々。

 とはいえ、「遺影にも使えるなんて話したら、縁起でもないって嫌がられるかなあ……」と、少し心配そうな様子も。実際に利用された方のビフォーアフターの写真を応援材料に渡したところ、「母に見せたら、『遺影でしょ。お友達もわざわざ箱根まで撮りに行ったなんて話していたし、気になっていたのよね。こんなにきれいにしてもらえるなら、いい機会だからお父さんと一緒に行くわ!』と快諾でした!」(Oさん)。

 撮影当日の様子を詳しくご紹介する前に、まずはOさんのお母さん(76歳)のビフォーアフターをご覧ください。100点満点以上の笑顔。そして若さも、美しさも、確実にアップしています。これ、ウィッグではなくて、自分の髪なんですよ!

本人も家族も驚いたビフォーアフター。女優かっ!
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この大変身の秘訣を、ヘア&メイクさんとカメラマンさんに教わりました
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 贅沢にも、専用のヘアメイクブースを貸し切りにして、プロのメイクアップアーティストが丁寧にメイクをしてくれます。やさしくユーモアたっぷりのトークに心がほぐれ、すっかりご満悦のお母さんからはこんな言葉も。

 お母さんが記憶をたどると、人にメイクをしてもらったのはご自分たちの結婚式以来だそう。50年以上も前ですよね! 確かに、何か特別なことでもない限り、プロに本格メイクをしてもらう機会なんてそうそうあるものではありません。

 お母さんもお父さんも、撮影が進むうちに表情がほぐれて明るくなり、最後には仲良く腕を組んだ写真まで撮影。そんな二人を見て、Oさんは「じーん」とした様子。こんな言葉が漏れました。

 当初の「遺影なんて、縁起でもないって嫌がられるかも……」というOさんの心配はどこへやら、ご両親も娘も大満足で終えることができた今回の撮影。思い出に残るギフトを贈る全ステップを、次ページから詳しく紹介します。親を写真館に連れていくのは難しい、という方のために、大変身を支えた秘密兵器の情報や、家できれいに写真を撮るためのコツももれなくお伝えします!