突貫工事でいいから「人生で抜け落ちた部分」を埋めたい

―― 合格された時に、「人生の穴を埋めたかった」と、言っていたのが印象的でした。

真矢 それまで、どこか自信がない部分がずっとあって。「その理由はいったいなんだろう」と考えたときに、「人生で抜け落ちている部分だな」と気付いたんです。

 宝塚でたくさんのものを得たけれど、一方で、高校・大学に行けなかったことで、自分の人生に穴が開いているような感覚がずっとありました。今、自分の中で何かがしっかり根付いたら、きっと自信になるはず。それなら突貫工事になるかもしれないけれど、穴を埋めてみようと思ったんです。

不合格でもいい 今の私にはムダにならない

―― ブログで「受験宣言」をしたのも、潔くて真矢さんらしいと感じました。番組内ではその様子を密着取材。「もし落ちてしまったら……」と、公表をためらう気持ちはなかったですか?

真矢 当初、番組で密着取材の話をいただいた時は、お断りしようと思っていたんです。あくまでも自分の中の学びのつもりだったし、そういうことを売りにするのも嫌悪感があって。「全国ネットで落ちたら嫌だな」という思いも一瞬頭をよぎりましたよ。

 でも、落ちたら落ちたで、同じ境遇の方と気持ちを共にできるし、「一緒にもう1回トライしませんか」と前向きな発信もできる。今の私にはムダな経験にならないと思いました。

―― 実際に、学んだ知識や経験は、仕事にも生かされていますか?

真矢 ニュースを見る視点が変わりましたね。時事問題や政治のニュースにしても、その背景が理解できるようになったことで、そしゃくの仕方が違う。「じゃあ、この問題はどうなっているんだろう」と新たな興味が泉のように湧いてきて、どんどん掘り下げて考えられるようになりました。MCを務める情報番組『ビビット』で取り上げる内容もちゃんと自分の中に定着するようになって。目まぐるしいけれど、毎日がすごく楽しい

撮影中、スタッフとベトナム観光の話になり、真矢さんは即座に「先日、米朝首脳会談があったハノイより南にある…」と時事と地理を掛け合わせて説明してくれた

 視野が広がったことで、俳優業にも生きているなと感じます。一つの役を演じるために、関連する本を探して読んだり、背景を調べてみたり。知識と経験がつながって立体的に物事を見られるようになりました。