―― 毎朝の情報番組の司会の他、主演作や連続ドラマが続く多忙なスケジュールの中で、塾に通って勉強されたそうですね。

真矢 塾はインターネットで探しました。不定期な仕事もあってコンスタントに通えないから、プライベートレッスンも並行。昔から「無理だと思っても、取りあえず少しだけやってみる」が、私のポリシーなんです。あまりにブランクがあったから、机に向かう感覚やどれだけ意欲が湧くか分からないけれど、まずは3日やってみようと塾に通い始めました。

「教えてもらうって、こんなに面白かったっけ!」

―― 久しぶりに「学び」と向き合う経験はいかがでしたか?

真矢 これが想像以上に楽しくて! 人に教えてもらうことって、こんなに面白かったっけ! とワクワクしっぱなしでしたよ。これまでずっとアウトプットばかりで、どこか自分を切り売りするような感覚があったから、すごく新鮮で刺激的でしたね。

 とはいえ、スポンジのような吸収力を持つ若い頃とは違います。台本はすんなり覚えられるのに、英語や数字が頭に入っていかず、記憶力の低下を痛感しました。覚えやすいように、絵や図を描いて頭にたたき込んだり、物語や流れを意識してイメージをつかんだりと、自分に合ったやり方を試行錯誤。

 受験を宣言した後に俳優の仕事が入ってきてしまって、まとまった勉強時間が取りづらくなりました。だから、塾に行ける日は長い時は1日に6時間くらい勉強です。科目ごとに1時間の授業であっという間。集中するために、テキストを持ちこんで漫画喫茶に籠もる日もありましたね。塾に行ける日は徐々に増やしていき、受験直前はほぼ毎日通っていました。

古文の単語に苦戦。「『のたまう=おっしゃる』がイマイチピンとこない私は、のたうちまわる姿で喋り続ける人の絵を描いて覚えます」
「『混ぜるなキケン』といわれる世界史と日本史を受験することにしてしまったため、暗記する量が半端ないのです」
移動中も大量のテキストと共に。塾に行く時は、スーツケースに教材を入れて運びます

 人間って、アウトプットしたら記憶のスペースが空くといわれますけど、当時の私はひたすら詰め込んでばかりだから、完全に容量オーバーですよ。受験直前は、「今、頭を振ったら覚えた内容が出ちゃう~!」と思ったくらい(笑)。

 ただ、宝塚時代にいろんな役を演じた経験から、歴史に関しては部分的に詳しかったので、学びを深める時に役立ちました。私よりずっと若い塾の先生の教え方もユニークで。歴史上の出来事を現代に置き換えて、興味の持てるような授業をしてくれました。やっぱり楽しくないと頭にスッと入っていかないものですね。大人になっても「面白い」と思える感覚が、学びには大事なんだなと実感しました。