妊娠をきっかけに孤立させない ピッコラーレ

NPO法人 ピッコラーレ
活動の目的:産前産後の女性の死亡原因でもっとも多いのは自殺。そして、児童虐待死でもっとも多いのは生まれたその日になくなる命。妊娠を誰にも相談できず、一人で抱え込み、社会から孤立したために、母子の安全が守られなかった結果だと考えています。「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せに生きる事ができる社会の実現を目指して活動しています。
職員:相談支援員&事務局メンバーで約30人
ボランティア/プロボノ:約10人
活動内容

 妊娠葛藤相談事業(にんしんSOS東京・にんしんSOS埼玉・にんしんSOSちば)では、産む・産まない、育てる・育てないに関わらず妊娠にまつわるすべての「困った・どうしよう」に寄り添い、365日メールと電話で相談を受け付け。医療・福祉系国家資格保有者等で構成された相談支援員チームが、関係機関と連携し、自立に向けてサポート。

 相談支援員のスキルアップを目的としたセミナーの開催や、妊娠葛藤の問題を考え合うための講演・啓発活動。また、研究者との共同研究、行政府のヒアリング協力、政策提言・要望書の提出などを行い、2020年末の発行を目指し「妊娠葛藤白書」の制作に取り組んでいます。

 孤立せざるを得なかった妊婦に安心・安全な場所と時間を提供しながら、これからの暮らしをともに考えるための居場所「project HOME」を運営。認定NPO法人PIECESとの協働プロジェクトとして進めています。

認定NPO法人PIECESと一緒に。HOMEのない妊婦のための居場所づくり「projectHOME」を協働で進めています
認定NPO法人PIECESと一緒に。HOMEのない妊婦のための居場所づくり「projectHOME」を協働で進めています
代表からのメッセージ

 妊娠は誰でも誰かの手助けを必要とする出来事です。たとえ望んで計画していたとしても、身体や心が大きく変化することで戸惑い、不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。その変化に対処できる信頼関係を妊婦さんやその周りの人が持っていなければ、妊娠が大きな困りごとになってしまい、「妊娠葛藤」という課題を抱えることになってしまいます。

 妊婦は妊娠から逃げることはできません。だからこそ、妊娠をきっかけに孤立することなく、誰もが自由に幸せに生きることができる社会をつくりたい。妊婦さんひとりに重荷を背負わせるのではなく、孤立している妊婦さんを取り巻く社会課題に目を向けて、社会が、地域が、個々人がどうあるべきか一緒に考えてくださると嬉しいです。

 妊婦さんを見たらにっこりほほ笑みかけてくださいと、皆さんに伝えています。ほほ笑みは、ここにいていいんだ、というメッセージになり、妊婦さんを安心させてくれると思います。

 また、事業運営には資金が必要です。寄付を通して、ピッコラーレが出会っている妊婦さんを応援していただけるととてもうれしいです。

中島かおり<br>ピッコラーレ 代表理事<br>第2子の出産をきっかけに助産師を目指し、その後病院や助産院で助産師として働く。 地域に密着し、妊娠から出産、子育てをサポートする助産師でありたいと活動する傍ら、 特定非営利活動法人ピッコラーレ(旧:一般社団法人にんしん SOS 東京)の運営に 代表として携わる。 著書に『漂流女子』(朝日新聞出版 2017年)がある。
中島かおり
ピッコラーレ 代表理事
第2子の出産をきっかけに助産師を目指し、その後病院や助産院で助産師として働く。 地域に密着し、妊娠から出産、子育てをサポートする助産師でありたいと活動する傍ら、 特定非営利活動法人ピッコラーレ(旧:一般社団法人にんしん SOS 東京)の運営に 代表として携わる。 著書に『漂流女子』(朝日新聞出版 2017年)がある。