企業の管理職、チームリーダーとして、組織を統率する立場にあるARIA世代。20代の新入社員から定年間近の50代まで、さまざまな価値観のメンバーを束ねなければならないばかりか、時に自らもプレーイングマネジャーとして動かなければならず、日々悪戦苦闘している人も多いでしょう。しかし、完璧なリーダーが、強いチームをつくるわけではありません。どのようなリーダーが今、求められているのか? 部下とのコミュニケーションはどうすればいいのか? アンケート調査や成功事例から、令和時代のリーダーシップと最強チームのつくり方を探ります。
森 華菜さん(48歳)
森 華菜さん(48歳)
サントリーパブリシティサービス ゲストリレーション事業 レセプションマネージャー。コンサートホールの運営スタッフの育成業務に携わる。勤続14年、うちマネジャー歴は12年

 毎日、アルバイトスタッフ30人を、わずか1時間で接客のプロチームに仕上げ1チームとして稼働させる――。サントリーパブリシティサービスの森華菜さんは、クラシックやオペラのコンサート会場で、受付や案内係といったホールスタッフを統括する敏腕マネジャーだ。短時間で1チームにまとめ上げる極意を聞いた。

10代の学生からシニアまでが接客のプロに変身

―― 森さんのお仕事内容を具体的に教えてください。

森 華菜さん(以下、敬称略) コンサートのホールスタッフを管理、指導するマネジャーをしています。私が指導するスタッフは全員アルバイトですが、お客様のチケットをもぎったり、席を案内したりする、いわば「おもてなし最前線」の部隊。失敗は許されません。

 所属しているアルバイトスタッフは、10代の学生からシニアまで約300人。ここから、毎日異なるメンバー30人で即席チームをつくり、公演の開場前の1時間で各自の役割を徹底して教え込みます。

―― お互い面識がない場合もあり、年齢もばらばらなスタッフを1つのチームにまとめるのは大変そうですね。

 スタッフはキャリア10年以上のベテランから、1年未満の新人まで幅広いキャリアのメンバーがいるため、ベテランにはベテラン、中堅には中堅のそれぞれの力を引き出し、発揮してもらうことによって、新人に安心して仕事をしてもらえるかどうかが、成功のカギになります。

「毎日異なるメンバー30人で即席チームをつくり、コンサート開場前の1時間で各自の役割を徹底して教え込みます」。写真はイメージ
「毎日異なるメンバー30人で即席チームをつくり、コンサート開場前の1時間で各自の役割を徹底して教え込みます」。写真はイメージ
森さんが、自分でメンバーに対して言ってはいけない2大NGワードを決めている。答えは3ページ目に掲載
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人を育てるために、周りに言い続けている言葉とは?答えは4ページ目に
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