リモート環境で仕事をすることが「新しい日常」になって1年近くたちました。直接顔を合わせずに打ち合わせをしたり、マネジメントしたりすることにも慣れたからこそ、コミュニケーションの質をもっと上げたいと感じる場面も増えてきたのではないでしょうか。ビデオ会議での印象をアップするコツやリモートでのチームマネジメント術、効果的なプレゼン方法など、テレワーク時代ならではの「伝える」テクニックをその道のプロに学びます。

オンラインとリアルの会議はまったくの別物

 テレワークを導入する企業が増え、オンラインでの会議や営業を実施する機会も多くなりました。必要に迫られてZoomやTeamsといったオンラインミーティングアプリの操作を覚えた人もいると思いますが、使い方を覚えるだけでは、使えるようになったとは言えません。元NHKのキャスターで現在は国立大学准教授やスピーチコンサルタントとしてご活動の矢野香さんは、「使い方」の先にある「伝え方」と「見せ方」が大事だと言います。

 「オンラインとリアルの伝え方や見せ方は、まったくの別物です。リアルの常識をオンラインで再現しようとすると無理が生じ、伝わらなくなります。ですが、現状では残念ながら、大半の方がオンラインもリアルと同じ伝え方をしています」(矢野さん)

 リアルの会議で良しとされてきた伝え方は、オンラインでは通用しない、と矢野さん。読者の皆さんは、以下の「リアル会議で良しとされる伝え方」のうち、どれがオンラインには不向きだと思いますか?