新型コロナ禍は感染拡大の第6波に突入し、私たちは長期間にわたってストレスを受け続けています。自分自身や、部下や家族が出している「うつのサイン」をどのように見つけて対処したらいいのでしょうか。職場のうつ、更年期特有のうつ、介護でのうつ、さらに、うつを体験した人の声などを取材してお届けします。

 冬は寒くて動きたくない、こたつに入ってうとうとしたり、甘いものを食べたりして過ごしたい。そう思う人、多いですよね。ところがそれ、冬季うつの兆候かもしれません。冬季うつって何なのか、人形町メンタルクリニック院長 勝 久寿さんに話を聞きました。

勝 久寿
勝 久寿 かつ・ひさとし/人形町メンタルクリニック院長。医学博士。精神保健指定医、精神科専門医、臨床精神神経薬理学専門医、日本医師会認定産業医、日本精神科産業医協会・認定会員。著書に『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』『「とらわれ」「適応障害」から自由になる本』など

午後から甘いものがほしくなる、これ冬季うつの症状かも

編集部(以下、略) 冬季うつとはどのようなものなのですか?

勝 久寿さん(以下、勝) 冬季うつは季節性のもので、季節性感情障害と呼ばれます。主に夏と冬に発生するのですが、ほとんどが冬。9~3月に起こりやすく、日照時間が短いことが原因とされています。

 季節的なものであるということの他に、冬季うつには特徴的な症状があります。通常のうつは眠れなくなったり食欲がなくなったりしますが、冬季うつはとても眠くなったり、食欲が増したり、活動性が落ちたりします。健康な人でも冬には同じような傾向があります。症状の程度が大きい場合は冬季うつと考えてよいでしょう。

 食欲の増え方にも特徴があって、特に甘いものや炭水化物を取りたくなります。特に、なぜか午後から夜にかけて食べたくなる人が多いです。

―― まるで冬眠のようですね。冬季うつかなと思ったらすぐ医師に相談したほうがいいのでしょうか。