新型コロナ禍のために家で過ごす時間が増え、ほとんどの人が運動不足を実感しているでしょう。「食べる量を減らして調整しているから大丈夫」というあなた、実は筋肉量が減っている可能性があります。ボディーラインが崩れるだけでなく健康面でも心配な「危険な筋肉不足」、今すぐなんとかしましょう。

 外資系銀行に勤務しながら、オールジャパン ビキニフィットネス選手権大会5年連続チャンピオンの肩書を持つ安井友梨さん。『マツコの知らない世界』など数々のテレビ番組で披露した、サラブレッドのような引き締まったボディーに目を奪われた人も多いでしょう。30歳で筋トレを始めたという安井さんは、肉体だけでなく性格や人生までもが劇的に変わったといいます。

安井友梨(やすい・ゆり)/フィットネスビキニアスリート
安井友梨(やすい・ゆり)/フィットネスビキニアスリート
外資系銀行勤務。社内トップクラスの営業成績の銀行員であると同時に、オールジャパン ビキニフィットネス選手権大会5年連続チャンピオン。IFBBビキニフィットネスでは日本人最高の世界ランク4位。平日は銀行員として働き、週末はビキニフィットネス競技普及に努める。食べながら痩せて筋肉をつける「安井式メソッド」がSNSなどで話題に。

体重70kgのぽっちゃりOLだった20代

―― 30歳で筋トレを始めたきっかけはダイエットだったそうですね。

安井 はい。30歳までは万年ダイエッターであらゆるダイエットに失敗していました。当時は証券会社に勤めていて仕事のストレスが多く、飲んだ帰りに深夜にんにくラーメンを食べたり、夕食にドカ食いをしたり。体重も70㎏近くありました。コンプレックスだらけで食べることが唯一の趣味でしたね。

―― 今の姿を見ると、とても想像できませんが……。筋トレに出合ったきっかけは何でしたか。

安井 私と同じでずっと太っていた母がジムに通って20㎏やせたんです。やせてすっかりおしゃれになりました。「母ができるなら」と思って、私もジムに入ったのですが、ただ通っているだけでは全然ダメでした。

 トレーナーに相談したら「目標となる人を持て」と言われて。ネットを検索していたら、偶然ビキニフィットネスの写真を見つけたんです。当時のチャンピオンは40歳の主婦の方で、「これなら私にもできるかも」と、彼女が通っていたジムを探して通い始めたのがきっかけです。

―― そこで、ビキニフィットネス大会出場を目指したんですか?

安井 トレーナーからいきなり、「優勝を目指さないなら辞めろ!」と言われました。ただやせたいだけだったんですが(笑)。でも、目標があれば痩せられると思いました。私は背は高いのですが運動神経がいいわけでもなく、メンタルも強いほうでもない。トレーナーに言われた条件は、「優勝を目指す」というブログを毎日書くこと、優勝するまで辞めないことでした。

 ブログには食べたものも毎日書いていました。SNSが苦手でブログも嫌々でしたが、今も苦しいときには読み返して励みにしていますし、後に続く人の参考にもなる。やっていてよかったなと思います。

(左)トレーニングを始めて10カ月で体重52g体脂肪率10%に(右)ぽっちゃりOLだった20代のころ。体重は70㎏、体脂肪率は32%。食べることが好きでおはぎは一気に20個食べていた
(左)トレーニングを始めて10カ月で体重52g体脂肪率10%に(右)ぽっちゃりOLだった20代のころ。体重は70㎏、体脂肪率は32%。食べることが好きでおはぎは一気に20個食べていた