忙しいから、お金はできるだけ手堅くためてきた。というかある意味放置してきた。でも気付けば、人生後半戦を支えてくれるはずの自分の「資産」、これで大丈夫なのかと不安になりませんか。ARIA世代がこれから投資で増やすことはできるのか? マイホームは「不良資産」にならないのか? 続けていい保険、見直すべき保険は…? 投資初心者に向けた資産の見直し特集です。

 かなり以前に入ってそのままにしている保険、ありませんか? 「見直したほうがいい」と耳にしても、よく分からなくて放置、という人も多いのでは? そろそろ重い腰を上げて見直しをして、今の自分に合ったものにメンテナンスしていきたいもの。そこで今回は、40~50代のARIA世代が保険を見直す際のコツや注意点について、保険の営業職や保険代理店勤務を経験し、現在は独立して個別相談を有料で行っているオフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨さんにお話を聞きました。

 40~50代の働く女性にとって、生命保険をどのように考えたらよいのでしょうか。

 「保険は『自己資金では対応できない緊急事態への備え』に適しています。それ以外の保険には、極力入らないほうがいいとアドバイスしています」と、いきなり後田さんから驚きの発言が。

 「具体的には、個人賠償責任保険、火災保険、子育て中の保護者の死亡に備える保険(収入保障保険など)は検討に値すると思います。これらは、万一の時には大きなお金が必要になるから。それ以外の、例えば医療保険やがん保険などは、皆さんが入っている健康保険である程度カバーされ、貯蓄でもまかなえる範囲の出費で済むことが多いので、優先順位は下がると考えています」(後田さん、以下同)。

金額の大きさで判断すれば、感情に左右されにくい

 保険に入る際に考えるポイントは、「不安の有無ではなく、金額の多寡で判断する方がいい」とアドバイス。

 「自動車保険に入るときをイメージしてみてください。賠償責任は無制限で入りますよね。でも車両保険は、車両自体が安いものだったら保険をかけない人も少なくありません。車両保険に入るとしても、10万円までの費用は自己負担し、保険料を下げるようなプランが好まれます」

 「つまり、不安の有無ではなく、金額の大きさで保険を利用するかどうか判断しているわけです。感情に左右されにくく、間違いが少ない方法だと感じます」

 そのうえで、子どものいない40~50代のシングル女性の場合は「健康保険(公的医療保険)と自己資金で備えるのが合理的だと思います」と後田さん。

 「子どもがいれば、自分に万一のことがあったら大きなお金を残さねばなりませんが、子どもがいない方であればそれは不要です。私も子どもがいない夫婦2人暮らしですが、医療保険やがん保険には入っていません。基本的には、誰もが入っている健康保険があればほぼ十分。その理由は2つあるんですよ

 では、後田さんが、医療保険やがん保険を不要だという理由2つについて、次ページから紹介していきます。

保険を見直すにはどこから手をつけるべき?詳しくは次ページから解説
保険を見直すにはどこから手をつけるべき?詳しくは次ページから解説